日本旅行記 トロッコ列車(続き)

またいきなり日本旅行の続きになります。黒部峡谷鉄道の旅。

黒部峡谷鉄道 後曳橋

黒薙駅を出るとすぐにある後曳橋(あとびきばし)。先頭の車両が橋を渡ってトンネルに入っていくところ、つまり私の車両はかなり後ろ。

紅葉の絶景ポイントだそうですが、緑もまた美しい。紅葉だとこのトロッコ列車の色が紅葉と重なりそうですよね。黒薙駅で降りて遊歩道を歩き黒薙温泉まで行くのも楽しそうです。

黒部峡谷鉄道 水路橋

黒薙駅の辺りから見えるこの橋は「湖上の城」である新柳河原発電所へ送水するための水路橋なのだそうです。新柳河原発電所は水路式の発電所ですから、こうやって水路を造って送水するわけですが、こんな遠くから水を運んでるの?と思ったら、実はもっと上流、猫又の辺りから運んでいるんだそうです。

それにしても森が深くて美しい。熱帯の森はこんなに密には成長しないので、稜線が全然異なります。

黒部峡谷鉄道 出し平ダム

出し平(だしだいら)っておもしろい地名ですが、出し平にある出し平ダムは1985年に完成。このダムは日本で初めて排砂ゲートを備えたものなのだそうで、運用にはいろいろ問題もあったようですが、貯水池の維持、海岸線の後退防止を目的として、下流の宇奈月ダムと連携して使用されているのだそうです(排砂の仕組みについてはこちらをご参照)。

出し平ダムからは水路で下流の新柳河原発電所と音沢発電所に送水されている他、放流水を利用した出し平発電所でも発電が行われています。

出し平発電所は発電量が171kWh/年(一般家庭約480世帯の年間発電量に相当)と小規模ではありますが、むしろ小規模な発電所の方が環境負荷も少なくて将来的には有望なのではないかと思うのですがどうなのでしょう。

一粒で何度も美味しいのが水力発電。黒部川水系だけで5つのダムと18の発電所(12ヶ所が関西電力、6ヶ所が北陸電力)があるのですから、美味しすぎです。

もっとも、ダムや発電所の建設工事には多くの犠牲者を出しており、そういう犠牲があってこそ。

20120607 1442 Kurobe Dam

これは2012年に黒部ダムを訪れた時の写真です。黒部ダムの標高は1454m、ダムの高さは184m、長さ492m。この本当に山のど真ん中のこんなところにダムを建設して発電所造ろうなんて、無茶もいいところですよねぇ。

そしてそれを完成させてしまうのですから、それもまたものすごい話です。

2 thoughts on “日本旅行記 トロッコ列車(続き)

  1. よっちゃん

    濃い緑がきれいです。どんなカメラを使われているんでしょう。いや、腕がいいんですね!これは失礼しました。水路橋、日本土木学会認定の土木遺産に指定されています。排砂の仕組みも読みました。木材を下流に運ぶときと同じ様に、堰を切って砂を勢いよく流す感じなんですね。面白く読みました。

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    1. Azuki Kusano (id: xiroro) Post author

      よっちゃんさん
      腕よりもカメラですね!ソニーのミラーレス一眼を使っています。3年前くらいに出たモデルですが、細かい部分の表現がクリアーです。色合いでいうと明るいところよりも暗いところの方が得意なようですが、動くものにも追従フォーカスしてくれる賢い子です。機能使いきれませんが(残念)。
      おお、土木遺産というのがあるのですね。ユニークな橋で、あんな場所にどうやって工事したんだろう?とは思いました。排砂の仕組みも面白くて、土木って興味深いです。

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