実家に到着したはいいものの、14日間の自己隔離は結構辛いものでした。
この14日間というのは、入国した日の翌日起算。早朝に着こうが深夜に着こうが到着日の翌日が1日目となり、14日が経過したその次の日に解放されることになりますので、ホテルで自己隔離しようとすると15泊16日が必要となります。
自己隔離用としてこの15泊16日プランを提供しているホテルもありますが、ご想像の通り結構な金額になります。そういうことならどっちかというと、3日でも6日でも強制隔離にして頂いて宿泊費と食費を浮かせられた方が得なんじゃないかという気がします。
この自己隔離期間は公共交通機関が使えないこととなっています。ただし、成田空港から上野駅までは京成電鉄がKEISEI SMART ACCESSというサービスを提供しておりまして、スカイライナーの車両の1つを帰国者専用に利用、上野駅からはハイヤーあるいはお迎えの車で移動することが前提。都心のホテルには帰国者専用のリムジンバスがありますが、8月に私が問い合わせた時には、成田空港付近のホテルについては「検疫が周辺のホテルへのバスを出している」という話でした。
ホント、この時期日本に帰るのって、日程的にも金銭的にも大変なのでありますよ…。特に地続きではない北海道や沖縄に行く方々は、どんなに頑張っても15泊16日のホテルで自己隔離してからじゃないと、行けなかったりしますしね。私も片道7時間の道をはるばる迎えに来てくれた弟には足を向けて寝られません!!!
さて、自己隔離期間は厚生労働省からの「健康確認」「現在地確認」「居場所確認」があります。居場所確認、以前は担当の方からビデオ電話がかかってきていたそうですが、私は初日からすべてAIによる自動ビデオ電話で、自分のいる場所の背景が確認できるように写すもの。健康確認は「熱ありませんか」的な質問に回答するやつ、現在地確認はスマホのGPSデータの確認を行うもので、日によって1度だったり2度だったりしていました。
これはいずれもスマホによる通信なので、日本でスマホが使えることが必須です。もちろんWiFi拾えればいいので、ホテルで自己隔離する場合はホテルのWiFi使えると思いますが、私はWiFiモデムをレンタルして使っておりました。健康確認以外の2つは、かかってくる時間が日によって異なるのですが、それでもおおむね9時から17時のオフィスアワーでしたので、早朝とか夜とかは外出してもいいのか?という気もしますが、これを担当されている方の手間を考えれば、それもまた仕方ないのでしょうね。
で、この自己隔離、一切外出禁止というのではなく「不要不急の外出禁止」、言い換えれば「必要なら外出してもいいよ」という状況です。そんなわけで近くのコンビニにちらりと出かけたり、若干の外出はあったのですが、基本は自宅待機です。この自己隔離のために持っていったのはこちら。
イシュチェル民族衣装博物館の刺繍クラブでやっていたサン・マテオ・イシュタウアカン柄の刺繍です。この2週間の間に六角形がようやく1つ完成。残るは5個だぜ(げろげろ)。いやこれホント、大変なんですよ。実際にこの刺繍をウィピルにやっている人たちは果てしなく尊敬してしまいます。
日中はこれをメインの作業とし、掃除したり家事を少々したりという、優雅な自己隔離期間を過ごしたのでありました。父が日中は家にいますので、二人してあーだこーだあーでもないこーでもないと言いながら作業するのですね。
たまに家で留守番の小僧とスカイプしたり。実はこの頃、ウチの子の具合があまり良くなかったので、時には深夜に電話がかかってきたりもしましたが、穏やかに時は過ぎ(暑かったけれど)、つつがなく自己隔離期間が経過していったのでありました。
それにしても長かった…。