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国会襲撃事件

昨日はグアテマラの国会議事堂付近で暴動があったかと思うと、パンデミック発生以来最悪な交通渋滞にはまってヨロヨロしながら家にたどり着き、夕食を終えてホッとしたころに停電。

いろいろと最悪な日でありました。

しばらく前から内戦に参加した元兵士らが、大統領が選挙キャンペーンで約束した補償金を要求するデモってのがあったのですが、なぜか昨日はこれが白熱。そしていつもは警官でぎっしりなのにたまたま警備が手薄だった国会の駐車場に乱入。そしてなぜか車に火をつけて盛り上がっていたのでした。

おいこらやめろ。折角のバレンティの絵が台無しになるじゃないか。まったくもー!

国会はグアテマラシティ1区の一画にあるのですが、駐車場のある裏口の門を壊して入り込み、火をつけたり暴力行為を行ったりしたのだそうです。

普通、こんな物持ってここまで来れないと思うんだが…。そこら辺の街路樹切り倒して使ったんでしょうか。マチェテ持ってる人も多かったようだから、ありそうな話。

逮捕者が数名出ているようですが、ひょっとしてそれで終わりなんでしょうか。警察も検察も近くにあるんですけれどもねー。とりあえず4人だったか5人だったが逮捕されたいるそうです。

そして今日の国会裏口。

現場検証やら何やらあるので、ひょっとしたら数日間は国会お休みみたいです。本日20日は革命記念日で祝日ではあるのですが、明日のお休みももう決定しているのだとか。

最初から最後まで何だか胡散臭い元兵士らのデモと暴動ではありますが、これでオシマイになったのかどうかは不明です。

一方、本日は独裁政権を倒したことを記念する革命記念日。毎年恒例のデモ行進が行われたのでありました。

何とものどか。

ちなみに本日は8時からデモ行進があると発表されていたのですが、こちらののどかなデモ行進には大量の警官が警備に動員されていたようです。何ともチグハグなグアテマラの警察でありました。

一体何をやりたいんだか

本日官報に新型コロナウィルス対策の新措置が発表されました。それによれば数週間前に発表されたショッピングモールやスーパーなどの営業時間の制限は撤廃(ただしアルコール飲料の販売は21時まで)、公設市場の営業短縮も撤廃、今まで禁止だった祭り(市祭等)はもう禁止撤廃でどんどんやろうぜ、おまけに海岸や川、湖のアクセスはコロナ信号赤やオレンジという高いレベルのアラートであっても100人までならいいよ!

まったくもって意味不明。

大体海岸とかの人数制限てなんよ、それ。海岸てずーっと繋がっているのであって、そのどこからどこまでで100人なんだよ。わかんねーよ!!(若干キレ気味)

もうひとつよくわからないのが「公園は10人まで」。多分これ、どこの町にもある中央公園とかなんだと思うのですが、10人ってなんだそれ。例えば、アンティグアの中央公園、あの中に入れるのは10人まで。同様にグアテマラシティの憲法広場も10人まで。でも面積全然違うけどな。むしろこれ、逆に「集会の禁止」に近いんじゃないだろうかという野暮な推測をしてみます。最近、政府のあれやこれやに反対する人たちの抗議活動が増えてきていますからねぇ。

規制がまだ解かれていないのは葬儀やパーティーなどでの大人数の出席。少人数なら可能です。少人数!つまり内輪で、ってことですよね。

その内輪で行われたはずの某国会議員の結婚式が話題になったのが今日のこと。

先週末にグアテマラシティの某所で行われたもののようですが、ここにアレハンドロ・ジャンマテイ大統領がいるではありませんか!実は話題になっているのはそれだけではなく、ジャンマテイ大統領の側近中の側近というか、口さがない人たちからはプリメール・ダモ(ファースト・ハズバンド)と呼ばれているミゲル・マルティネスの姿もあることだったりします。

マルティネスは昨年のジャンマテイ政権発足時に「セントロ・デ・ゴビエルノ(政府センター)」という意味不明な新庁の長官に収まったのですが、何ら成果も出せないまま昨年末にひっそりと廃止され、現在は公職にはついていません。

私は大統領がゲイだろうがストレートだろうが構わないのですが、ジャンマテイ大統領はこのマルティネスとの関係が最優先になってしまっている、少なくともそう見える時点でもうアウト。愛人を政府の要職につけるとか、ダメでしょう。こんなことやってるから、大統領の言うことになんか誰も耳を貸さないわけで。

このことを書き出すとウダウダと長くなるので止めますが、とにかく!何をやりたいのかさっぱりわかんねーよ!!!可哀想なのは国民だよね、って話なのでありました。

最初の1年が終わった大統領

個人的にちょいとバタバタしておりまして、ゆっくり書いている時間がないのですが、本日、アレハンドロ・ジャンマテイ大統領が就任1年となり、最初の1年の報告書が提出されました。

これが何と2時間遅れで始まり、5分で終わった…ともれ聞いております。もっともこの日のイベントは国会での新執行部(毎年選出)の宣誓、それから大統領による報告発表、という段取りなので、おそらくトータルで10分くらいなんでは?まあダラダラと長いのよりはいいと思いますが、たくさん待ってる人がいるんだから、さっさと始めればいいのに、ね。

ちなみに報告書は140ページあるので、それをイチイチ読んでいればかなり長くなっていたのでしょうが、新型コロナウィルスによるパンデミックもあって、特段めぼしい成果もなかったということなのでありましょう。

一応目を通して、面白そうなところがあったら別途ご紹介しようかと思います。面白くなさそうな気がしますが…。

そんなくさくさする話はともかく、この冷え込む時期ではありますが、乾季の始まりは花の季節でもあります。ま、常春の国ですから、年中何かの花が咲いているのは確かですが。

我が家からさほど離れてないところに生えていたヒメオウギズイセン。この時期、朝は霧がかかることが多いのですが、この明るいオレンジ色はそんな中にも映える色でもあります。花が小さいので、あまり目立たないですが。学名はCrocosmia x crocosmiflora。園芸種ではなく繁殖力の強い雑草なのだそうですが、この花の付き方、可愛らしいですねぇ。

人事異動

グアテマラのコロナウィルス対策というのは、保健省が中心となってはおりましたが、大統領直下のCovid-19対策大統領委員会(Coprecovid)が保健省に対策について進言するカタチとなっています。

このCoprecovidが設立されたのが5月26日、構成するのはこの委員会の責任者であるエドウィン・アストゥリアス、保健省長官、財務省長官、労働省長官、開発省長官、農林水産畜産省長官、企画庁長官、という極めて政治的思惑の深いメンツだったのでありました。アメリカはコロラドの大学にて医師として臨床にあたっていたアストゥリアスに対する期待は大きかったのですが、この方はやっぱり政治家ではないので、こういう席では実力を発揮できた感じはいたしません。むしろ、政治家の思惑に踊らされていたような…。

さて、そのアストゥリアスが12月31日をもって辞任することを表明、その後はこのCoprecovidそのものが廃止される模様です。そうなると保健省が全責任を負う、ということになるのでしょう。アストゥリアスは再びコロラドに戻るらしい。

しかし、ですよ。

先週の金曜日に嫌煙じゃなくて犬猿の仲である大統領と副大統領が一緒に会見しまして「閣僚は皆辞表を提出するように」と申し付けております。これは全員を辞任させるという意味ではなく、仕事の内容を吟味し、辞表を受け取るかどうかを1月に決める、という話なんだそうです。

12月と言えば、クリスマス。クリスマスと言えば、誰もが買い物に繰り出し、家族や友人と集い、遠くに繰り出す季節であります。当然のごとく、コロナ感染の増加が予想されるのですが、そんなタイミングで?

早い話が現在の政治的危機を乗り越えるのが精一杯で、それ以外のことは考えられないのでしょうね。それにしても、しばらく引きこもっていた大統領が登場したと思ったらこれを言って、その後はまた引きこもり。多分こういうのって、アメリカさんあたりからご指導を受けたのではないかと想像するのですが、いかがでしょう。

もう少し政治力で何とか国を引っ張っていける人が大統領であれば、アメリカさんもあんまり何も言わないと思うのですが、政府があまりにグタグタで自ら危機を招いているのでクチバシを差し込んできているのではないかと。何だかんだ言っても、この辺りの国でのアメリカさんの影響ってかなり直接的ですからね。

12月はグアテマラでは政治はほとんど機能しないので、何でもまとめて1月に先送り。1月にはアレハンドロ・ジャンマテイ政権も1年を迎えますが、まさかこんなにグダグダになるとは。来年こそは良い年となりますように。

引き続き政情不安

グアテマラの政情は日々混沌を深めております。

先週の土曜日にも多くの人が憲法広場に集まっておりました。お天気も良かったし…。

今回は大きなトラブルなく1日が終わるかと思ったら。憲法広場の北側にある国家宮殿前でパスが燃やされる事件が。

誰がどうやってこのバスをここまで運んできたのかがものすごく不思議なんですよね。この付近、警官隊がたくさん警備にあたっておりまして、逆走してきたバスをそのまま見逃すとか意味不明。

そんな中、悪の巣窟国会は相変わらず越後屋的悪巧みを計画、今度は憲法裁判所の判事5人の内、2人を訴追にかけようと企てたものの…。

越後屋の悪巧みはいともあっさりと憲法裁判所によって「無効」とされてしまったのでした。やってることがあまりにも拙いので、実はそんなふりをして陰でもっと大きなことを企てているんじゃないかという気もします。何つっても何度悪事がバレてもめげないところが越後屋です。

また本日はソロラ県を中心に主要街道を封鎖する政府への抗議デモが行われています。

グアテマラで政府を支配し、己の富と力を肥やそうとする者は、常に先住民が組織化することを恐れていた。それ故何十年も前から先住民を分断させようとしてきた。一致団結すれば彼らは負けないだろう(イバン・ベラスケス)

上のツイートの写真はパンアメリカンハイウェイのロス・エンクエントロス付近。早朝から多くの人が集まっており、車の通行不可。午後も半ばには封鎖解除されていますが、元CICIGコミッショナーのイバンも書いている通り、先住民の組織力ってなかなかにすごいです。

この抗議デモについて、CNNがうまいことまとめてくれたので、これを拝借しようかと思います。この抗議デモで市民が要望しているのは何か、という点ですよね。

  • 来年度予算の廃止(これは既に一旦国会で可決・成立したものの、数日後に国会で廃止が可決され、再度予算編成が行われる見込み)
  • アレハンドロ・ジャンマテイ大統領の辞任
  • コンスエロ・ポーラス検事総長、ヘンドリー・レイエス内務省長官らの辞任
  • 司法関係者の再編(空席となっている最高裁判事の任命)
  • 国会の再編(特に国会執行部)

政府、国会、司法という三権全部について不満が溜まっているわけですから、もうどうしようもない感じ。ジミー・モラレス前大統領がCICIGを追い払って以降、汚職に与するダークサイドが再び力を得ていますが、陰でこれを操っているのはプライベートセクター、特にCACIF(カシフ)、日本で言うところの経団連のような、大手企業を中心とした団体です。政治家というのはこのCACIFの周りで踊っているというか踊らされているだけの人たちで、CACIFの都合の良いようにいっている間は問題ないのですが、最近のあまりの傍若無人ぶりにはさすがのCACIFからもやんわりとした批判の声が上がっている模様。それが一度決めた予算を撤回した理由じゃないかと推測しますが、それにムッとした大統領はその後人前にほぼ姿を現していません。

CACIFとしては、このような政情不安は経済を不安定にするだけでメリットがないので、うまく落とし所を見つけたいのでしょうが、一度味を覚えた政治家ってのはなかなか言うことを聞かないのかもしれませんねぇ。飼い犬に手をかまれる的なヤツ。それがこの最近のグダグダなのかなぁと個人的には思っています。実際のところはわからないけれど。

そんなこんなで今日も1日が過ぎ、明日から12月。何もかもが駆け足で通り抜けてゆく月となりました。まさかこの1年がこんな年になるとは、誰も予想しなかったんじゃないでhそうか、昨年の今頃。残り31日、2020年を満喫するぞー。

腹立たしきこと

イータやらイオタは既に消滅し、空気はどうやら乾季のものとなってきましたが、水を被ったり土砂崩れがあった地域の被害は深刻ですし、グアテマラシティと北部を結ぶアトランティック街道は一応通行はできるものの一車線のみ通行可能なところもあるようで、なかなかに大変なようです。ウエウエテナンゴ県でも北部へ向かう道路は土砂崩れ、浸水で通行困難となっているようですが、通行止めとなっているのはイサバル県のプエルト・バリオスからホンジュラスのコリント国境へ向かう国道9号線。それ以外はなんだかんだ言っても何とか通れるようではあります。

さて一方、災害支援のあり方、来年度予算の不透明な可決の仕方などに対する抗議集会が明日行われる予定となっています。

それについて大統領は閣僚を引き連れて登場。

「秘密裡に話し合われ、討議も行われないまま(国会で)承認された予算を大統領は弁護」。というわけで、背後に立つのは閣僚です。

あーなんとデジャヴなこの風景。やたらと評判の悪かった前政権で良くやってましたねぇ。前政権との違いは、この場に副大統領がいないこと。

アレハンドロ・ジャンマテイ大統領とギジェルモ・カスティーヨ副大統領は以前から政策とか見解とか意見とか考えとか、とにかくまったく全然合わない2人なのでありました。何でこの2人がペアで正副大統領をやっとるんだと謎に思うくらいの仲の悪さ。そんなわけでこの場にお呼ばれではなかった副大統領が何をやっていたかと言いますと…。

副大統領府にて1人で記者会見。ただし、この記者会見の方が大統領のものよりずっと意味深で、何と大統領に「2人で辞任をしよう」と呼びかけたのでした。まあなんてメロドラマ!

ってな話だったら良かったのですが、そういうわけではなくてこの2人、どうやら口もきかない関係である模様。副大統領の提案には他にもあるのですが、大統領はまったく無視。無視というか、スキあらば辞めさせちまえ、というのがミエミエなんですよねぇ。他人の言葉に耳を傾けないオレサマな大統領と、思慮深くはあるものの力のない副大統領。ちなみにこの副大統領、ボディーガードも従えずにテクテク歩いていたりする人でもあります。

そんな状況で明日、政府への抗議集会が行われるわけですが、政府側にとっては暴力行為があった方が都合が良い。そういう罠に陥ることのない、平和な抗議集会であって欲しいものです。

というわけで、そんなここ最近の出来事をまとめたビデオができております。仕事早いなGuatevision。

個人的に腹立たしいのは、被災者支援の遅れと支援物資ドロ(与党が一部ちょろまかしていたらしい)、そして幼児の栄養失調対策のための予算が大きく削られていること。

弱者のための視点がまったく欠けているのみならず、そんな人達を置き去りにして陰で自分たちの都合のいいように進めようとしてしまう権力者たち。予算成立に一票を投じておきながら「何の話だったか理解してなかった」という国会議員。

こんなヤツらを肥えさせるために税金を支払っているのかと思うと、腹立たしいことこの上なしであります。

まったくもー政治家という奴らは、何でこんなのしかいないんだってば。

やれやれ

朝はともかく、帰宅時の渋滞が復活しつつあるグアテマラです。時速10kmを超えるくらいで走っていれば快適と思えるくらいには渋滞にも慣れてきました。

先週末に発表された最新のコロナ信号では、グアテマラシティは赤からオレンジへとレベルダウンしており、週末は観光地が大賑わいとなり、いやいや本当にあの予防のためにと引きこもっていた日々は何だったんでしょう。

グアテマラシティで検査を受けた人の陽性率がかなり下がっているのですが、これはやっぱり感染の疑いのある人が検査を受けているのではなく、旅行だとか求職のために必要な人が検査を受けているからだと思われ、何となく理不尽な気がするのは我がサンタ・カタリナ・ピヌラ市はまだ真っ赤だからなのでありましょう。

そう言えば、コロナに感染したウチの大統領ですが、今日になってこんなものをピラリと公表したらしいです。

Covid-19で陰性となった検査結果は見せられると大統領。自分で費用を払ったので、国民の金は1センターボも使ってませんよ!

このツイートのポイントは2ヶ所ありまして、まずこの陰性証明(2ツイート目)、ラボラトリーの検査結果じゃないやんけ!というのと「治療費は自分で払った」って、元々感染したら国立病院に行くと言っていて、実際に一度コロナ専門病院で検査をしています。この病院は誰が行っても無料。運営は税金ですよ!自宅にいた間、こういう時のために特別に用意されていたという薬が処方されていたといいますし(多分こういうのはどこかから貰うんじゃないかしらん)、自分で払ったって言うんだったら支払いましたって領収書見せて欲しい。

なお、陰性証明とされているものは保健省のレターパッドに印字されていますが、なぜかアンティグアにある国立病院のラボラトリーが出しているもので、いわゆる検査結果ではなく、検査結果を本日付けでわざわざ別途このような体裁にしたもので、なのでサインしているのは検査技師ではないという謎仕様。しかもPCR検査ではなく抗原検査となっていて、見れば見るほど不思議な代物です。

というわけで本日からようやく本格的に活動するらしい。その前にも閣僚集めて閣議やってましたけれどね。。。

政治家というのはあちらでもこちらでも、一旦権力を握った人がそれを手放すのは容易なことではないようで、当のご本人は意気軒昂でありますが付き合わされる方はもうウンザリ。

こういう政治のどんづまり感を払拭するためにはどうしたらいいんでしょうねぇ。やれやれ。