#21S

人権擁護庁によると、グアテマラシティで125,000人、その他全国合わせて80,000人、合計20万人以上が参加した(いえ、現在もまだデモしている人はいるのですが)のだそうです。

132.85m✖︎116.40m、面積15,463.74平方メートルという憲法広場に入りきらないくらいの人が集まり、大義を忘れ、私腹をこやそうとする政治家の追放を叫んだのでした。

10万人が集まったとされる2年前のデモと同様、トラブルのない、実に楽しそうなデモでした。そう、グアテマラのデモって、何だかとっても楽しそうなんですよねぇ。つい参加してみたくなるような。

もっとも、実際に参加した小僧は「疲れた!」の一言。大学を9時に出発したサンカルリスタス(サンカルロス大学生)が、憲法広場に到着したのは14時。距離にすると9kmくらいでしかないのですが、あまりにも多くの学生が参加したため、まずキャンパスから通りに出るのに一苦労。その後も長い長い行列が続き、途中には信号もあったりなんだりで、とにかく大変だったそうです。ずっとシュプレヒコールを上げてるから、声も枯れるし。

#21S

出発前。工学部の面々です。なんでも工学部は最後列付近であったらしい。

#21S

12時頃にやっとトレボルを通過してボリーバル通りに入ったのだとか。列のずーーーーーっと先の方までサンカルリスタスです。

#21S

道中、ラファエル・ランディバルやデル・バイエ大学の学生と合流し、やーっとこさ憲法広場へ到着。もう既に満員御礼だった広場ですから、その手前の辺りからは歩くのも大変な状態だったとか。

それでも、そこにいた人たちが学生たちがやって来たのを見て、場所を空けて通してくれたそうです。このデモの言い出しっぺとなった学生協会(AEU)のレニーナの功績かな。

長年にわたり一部のグループに乗っ取られていたAEUでしたが、今年やっと会長選挙が行われ、当選したのが壇上のレニーナ。9月に就任したばかりですが、この間の行動力には脱帽です。先週の刑法改正に対し、AEUとして憲法裁判所に保護請求も出していました。

本日のデモについては、もっともっといろんなエピソードがあるのですが、全てを取り上げることは不可能です。いろんな個人や団体が、小異を捨て、政治家の汚職を追求するという一点で一致し、国中で行動を起こした今日のデモは見事でした。そういうのに参加できた小僧が羨ましい。。。

付け加えておくとすれば、このデモに当たり、国家文化宮殿や国会には警備のための警官隊が派遣されていたのですが、同時に「デモ参加者を守ること」という指示をも受けており、参加者と警官が同じ側に立っていたことでしょうか。人権擁護庁などの職員も「無用なトラブルを避けるため」にオブザーバーとして一日中立ち会っていました。お疲れさまです。

明日、国会が開会され、ジミー・モラレス大統領の不逮捕特権の剥奪の可否が再び問われることになります。実際に特権剥奪が認められるかどうかはまだ予断を許しません。そして特権剥奪ができたとしても、国民が大統領の辞任と同様に求めている国会議員の辞任となると、さらに難しいように思います。

グアテマラ国民はBプランを持っているのかしら。

明日はどんな一日になるんだろう。

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ジミー台風

お昼過ぎにぐらぐらっとかなりの揺れを感じ、ちょっと気持ち悪くなる感じだったのですが、ビルなので実際にどれくらい揺れているのかは良く分からなかったりします。先日のチアパス沖の地震よりは短かったのは確かですが、それからしばらくして、メキシコシティに大きな被害があったと伝わってきました。

震源はもう少し南のプエブラだったそうですが、軟弱地盤のメキシコシティでビルが崩れるシーンを帰宅後テレビで見たりして、ぞっとしました。コロニア・ローマの美しい街並みも今は瓦礫の中となっていたり。既に夜となっていますが、停電の暗闇の中、救出活動が続いています。どうか一人でも多くの方が救出されますように。

そしてまた今度はハリケーン・マリアがカリブ海を席巻中で、ドミニカ、グアダルーペなどで被害が出ているようです。いやはやもう。。。

さて、地震の被害こそはなかったものの、多雨で水害が起きている低地に加え、強情なジミー台風のおかげで政界を中心にいろいろ危ういグアテマラです。

今日はまず、国会で各党の国会対策委員長が集まり、今後の予定につき話し合ったのですが、「ジミー・モラレス大統領の不逮捕特権剥奪について再度投票を行う」ことが決まりました。明日水曜日は「ゼネストがあるから」国会は開会されないので、最短だと木曜日に再び投票が行われる可能性があります。特権剥奪に必要なのは2/3にあたる105票。また否決されたらどうなるんだろう。と言うか、可決するために再度取り上げるんですよね

そして午後にはジミーの国連演説。ニューヨーク時間で19時頃でしたか、ほとんど誰もいないところでぽつねんと演説を行うのはなかなか大変なことだとは思うのですが、同情したのはそこまで。

「Cicigに関する合意を見直している」とぶち上げてしまい、明日のデモ参加者を挑発してるのかいな!?大体、もう誰もこの人の言うこと真面目に取り上げないでしょ。一人で勝手にやってろ。

その証拠に、その演説が終わった頃にこんな爆弾が炸裂。

左から財務省長官フリオ・エストラダ、労働省長官レティシア・テレグアリオ、内務省長官フランシスコ・リバス、この3人が共同で辞任を表明。これには書かれていませんが、次官級も何人かが辞任しています。8月末にジミーが切れて以降、保健省長官及び次官が皆辞めたのに続く形となります。

そうそう、外務省長官のカルロス・モラレスはジミーと国連事務総長の会談の際に、Cicigのイバン・ベラスケスをかばったばかりに、翌日日本を公式訪問している最中にクビにされたのでした。1ヶ月に閣僚5人が交代するという前代未聞の事態。

財務相のエストラダについては、ジミーを守るための「汚職協定」に一枚噛んでいたと言われており(本人は否定)、それが事実ならこのタイミングで辞任はしないのではないかとは思います。

内相リバスは検事出身でジミーの友人。すなわち、ジミーと検事総長テルマ・アルダナの間をかろうじてつないでいた重要人物だったのでした。テルマさんからの信頼も厚く、この人が内相を離れるのは、グアテマラにとっても痛いところです。ひょっとして次期検事総長になったりしないかしら。。。

労働相についてはあまり良く知らないのですが、8月末に保健相が辞任した際、この人も辞任すると、当初噂されていました。その時からずっと辞めたかったんでしょうか。

ジミーが帰国して辞表を受理しないと辞任は認められないのですが、このジミーがいないタイミングで既成事実を作ってしまったからには、よっぽど辞めたかったのかしら、と思わずにはいられません。

最近ヤケクソ感漂うジミーなので、辞表を受理するのではないかと思うのですが、後任の選考は難航することが予想されます。

大体、ジミーの不逮捕特権が剥奪されて、逮捕されるかもしれないこのタイミングで閣僚やりたい人ってどんな人?

この3人の辞任発表を受けて、政府側からは例によって地雷踏みまくりのハインス・ヒーマン報道官がコメントを出しています。
「どんな人でも一時的にその任務についているに過ぎない、閣僚が辞任するのも初めてのことじゃない」。

どんだけ他人事なコメントなんだか。なんで閣僚が辞めていくのかが問題なんだっつーの。あなただって、大統領だって、任期を終えればフツーの人に戻るんだから。

マインスイーパってゲームありますよね?地雷を避けていくアレですが、スペイン語だとBuscaminas(ブスカミーナス、地雷探し)という名前になります。なので地雷踏みまくりのこの報道官、我が家的にはブスカミーナスと命名しています。

そして明日。#20Sとハッシュタグが付けられているゼネスト&デモの日です。「デモより対話を!」と呼びかける人もいますし、今日はジミーですら国連での演説で「対話」と言っていましたが、ここのところマスコミを避け、民衆を避けていたのはジミーの方で、何を今さら感が激しいです。

もちろん対話も必要でしょうが、話をするのも聞きたくないことを聞くのも嫌だと言っている人とどうやって対話をするんだ?

そういう不満、怒り、自分たちの意志を表明するのが明日。グアテマラシティでは次のルートでデモ行進が行われる予定です。

交通渋滞する。。。よね。明日は少し早く出かけるか。

デモ参加要項

土曜日以降は比較的落ち着いているグアテマラです。

ジミー・モラレス大統領は今朝方いそいそとニューヨークで行われる国連総会へと旅立ったそうです。巷間伝えられるところによりますと、駐国連大使を通じて国連事務総長との再度の会見を申し込んだそうですが、忙しい(と思われる)グテーレス事務総長、「この前言いたいことも言えなかったくせに、何を今更」と断ったのだそうです。そんなんアタリマエだろ。

追い詰められたジミーが、明日の国連総会で何を言い出すのかは気になりますが。

さてサンカルロス大学の学生総会(AEU)が呼びかけている20日のゼネストですが、他の大学、学校、商店、団体など、参加者が続々と増えています。もっとも経団連、農業会議所などはこれには参加せず。こちらの方は政治家との利害もいろいろあるのでしょうねぇ。

さてこれは、ゼネスト&デモ参加要項とでも言ったらよいでしょうか。

顔を隠さない(覆面を持っていく場合は首に巻いておく)
武器は禁止(鈍器、刃物、火器その他、他者に危害を及ぼす可能性のあるもの)
政党、大学の選挙などの広告禁止(大学学長や学部長候補、政党など)
公道や私有財産にペンキを塗ったり傷をつけるのは禁止
アルコール飲料及び麻薬類禁止

持参した方がよいもの

水分
日焼け止め
適当な衣類(帽子、Tシャツ、パンツ)
学生証またはDPI
ブブゼラの使用はほどほどに

ブブゼラと言えば、15日の国会前での抗議でもブーブー鳴っていました。ご近所の方はお気の毒。。。

大統領と国会議員の辞任を求めるのが目的のようですが、このデモをやったからと言って「はい、そうですか」と辞任するような人たちではないのは明らかです。

特に国会議員はいつの間にやら「国家の緊急の課題」として国会議員の給料増額とか国会議員が辞任した場合は給料5ヶ月分もらえるとか、非常にちゃっかりと採決していたらしいのですよね。まったくもうこいつら。。。

また、ジミー・モラレスの不逮捕特権剥奪に関する審議、その後の刑法改正などが非常に手際良く進んだ背景には、ジミーと野党のUNEの間で秘密裏に手打ちされていたとも報道されています。関係者(特にサンドラ・トーレス)はこれを否定していますが。

サンドラは大統領になるという野望のある人なので、否定したのみならず、「刑法改正は議員らが勝手にやったこと、党で事実関係を調査する」とも宣言、加えて「大統領の不逮捕特権剥奪に関する議題を再度取り上げるよう指示する」とのことで、与党との蜜月は儚く消えてしまったのでした。ご愁傷さま、どれだけほころびを繕っても、もう無理だと思うよ。。。

国会議員が辞任しない場合、法的手段に訴えることも可能ということで、実際にはそちらの方が確率としては高いかもしれません。選挙が目前に迫っていない今、どうしたって議員は現在のステータスを維持しようとしますよね。

20日のゼネストは相手を辞任に追い込むというよりは、自分たちの意志を表明するのが目的となるのだと思います。グアテマラシティのみならず、国内各地で同様のデモが行われる予定となっており、多くの国民が参加することが予想されています。その中心となる若い世代が、結果を焦ることなく行動してくれると良いんですけれどね。どうかそうでありますように。

 

汚職の反撃

今日は久しぶりに平穏な一日。昨日は昼間歩き回り、夜は夜とて遅くまでテレビの生中継を見ていたのですっかりくたびれ果てていたのですが、おかげでしっかり休めました。多分、昨日のデモに参加していた人たちの大半はもっとくたびれ果てているのでしょう。

昨日のブログ、見直して少し書き直しや写真の追加・入れ替えをしました。やはり疲れている時に書くとどうも言葉足らずになってしまっていたような。。。かといってそんなに大きく書き直したわけではないのですが。

一つ付け足しておきたいのは、警官隊に先導されて脱出した議員が多数だったわけですが、約20人はその場に残り、その後、警官によらず自分たちで国会から出て行ったそうです。「自分たちは正しいことをしたのだから、何も恐れる必要はない」。政治家はやはり、国のため、国民のために信念に基づいて行動すべきなのですよね。

さて。

先週、刑法改正が猛スピードで国会を通過した時、これって、なんかスターウォーズっぽくないか?と思いっていたのですが、そう思ったのは私だけではなかったようで。

グアテビシォンというテレビ局のロス・インオルビダーブレス(忘れられない出来事)という番組で流れたビデオを貼り付けてみましょう。

エピソード II
汚職の反撃

汚職との戦いで
オットー・ペレス・モリナ将軍率いる政府のほとんど全員を
牢獄につなぐことができた。

グアテマラ市民は新しい共和国の門戸に立ったと信じたが
ダークサイドの勢力はグアテマラ人を
「あいつは左だ、あいつは右だ」と分断しようと画策した。

帝国の兵は共和国政府機関を乗っ取り、
犯罪を無かったこととし、
コミッショナーを辺境の惑星に追放しようとした。

ダークサイドは新しい味方を得た:
操ることの容易なコメディアン、グリーン・ウーマン、
自らの主張を持たない根無し議員である。。。

座布団2枚!!!

実は私も、パルパティーン(ダース・シディアス)の役が務まるのはグアテマラ市長アルバロ・アルスーしか居ないと思っていた。そこまで同じだったので、余計にウケたのですよね。オリガルキーを代表するアルスーは、最近ジミー・モラレスの保護者的立ち位置をキープしています。

グリーン・ウーマンは先の選挙で大統領候補として立候補し、決選投票でジミー・モラレスに敗れたUNEのサンドラ・トーレスのこと。UNEはモラレス政権発足以降、与党と対立していたのに、ここに来て協同することにしたようで、UNEよお前もか(いや、わかってたけれどさ)。しかし国民に対するこの手のひら返しの代償は大きい。次の選挙でのサンドラ・トーレスの当選はもう消えたと言っていいでしょう。

余談ですが、昨日テレビ局では唯一国会からの脱出劇を生中継していたグアテビシォンのレポーターとカメラマン、トウガラシスプレーでゴホゴホやりながらも最後まで中継をしていました。国会の中と外にそれぞれ配置していたそうで、生で流れていたのは中にいたレポーターからの映像でしたが、それでも結構ガスを吸ってしまっていたようです。外にいたレポーターとカメラマンはもっと大変だったはずですが、警官隊が行動を開始した時の映像がちゃんと撮れていました。プロフェッショナル。

では今後どうなるか。

まず、今日は再び憲法裁判所が動いています。昨日、人権擁護庁などが「デモの自由」の確認を求めて憲法裁判所に保護請求を出していたのですが、本日これが認められ、「デモの自由、移動の自由、表現の自由」を政府が保証することを命じています。

これは昨日の警官隊との衝突のことよりも、今後予定されているゼネストを念頭に置いたものだと思います。9月20日水曜日、サンカルロス大学の学生協会(AEU)が中心となってゼネストを呼びかけているのですが、これが妨害されることのないように、ということ。

実は昨日までの抗議行動では、抗議グループの中にスパイが混じっており、抗議グループの人たちが暴力を振るうように仕向けていたと言われています(一説にはパンディーヤとか某人のボディーガードとか囁かれていますが)。

*追記:騒動を大きくする目的は、抗議グループが暴力的だと非難し、非常事態宣言を発出すること。そのために「暴力的」グループのビデオが出回っていたのでした。なので、抗議する側は、そういう人間を排除し、相手の挑発に乗らないことが肝要となります。(追記ここまで)

ゼネストでの要求は「大統領の辞任」「国会議員の辞任」「選挙法の改正」かな。現在の選挙法では国会議員は比例代表のみで選出されるのですが、それを記名式にしようというもの。「好ましくない」と国民が考える議員を排除するための改正ですが、当然国会議員からはものすごい反発があると思われます。

一方、国会の方では刑法改正を実現した後、他の法改正も続けてやろうという予定でいました。

  • 検察庁組織法改正:現在、検事総長の更迭は検事総長が有罪とされた場合のみ、となっているのを大統領の一声でクビにできるようにしようというもの。目の上のたんこぶ、テルマ・アルダナを排除しようというのが見え見え。
  • 国会組織法改正:国会議員の給与を現在のQ29,150(約4,050ドル)からQ33,000(約4,580ドル)に増額。大統領を守った(いやまだ守れてないけれど)議員らへの報酬なんだそうです。泥棒どもめ。
  • 会計検査院組織法改正:会計検査院が課す懲罰の緩和化。これは大統領への支持を表明した自治体首長への報酬。市長というのはかなりの割合で汚職に関わっているからね。
  • 犯罪取得物件没収法改正:不法な手段で所得した物件を国が没収するにあたり、現在は所有者が正当性を証明する必要があるものを、国がその違法性を証明するように変更するというもの。えー、あなたたち、不正行為に拘りすぎです。
  • マネーロンダリング取締法:改正内容は不明。制限額を上げるとかですかね?

これが全部通ったら、グアテマラが汚職帝国になるのは間違いなし。現状から鑑みて、この法改正を実際に実施するかどうかは不明ですが、注意してみている必要はあるでしょう。こう言う悪巧みをしていながら、「時間がなくてよく吟味できなかったんです、間違えました、ゴメンナサイ」とか、どこまで腐っとるんじゃ、こいつら。

巷では、こんな商店も出てきたようです。

「汚職議員お断り」。これは床屋さんですが、店名を出して主張するのは勇気のいることです。

そして、すっかりひきこもりとなってしまったジミー大統領。来週19日から開催される国連総会に出席するために18日にニューヨークへと向かいます。未だにCicigのイバン・ベラスケス追放に執念を燃やしていると言われるジミー、ひょっとして総会での演説で「イバン出て行け!」と言うんじゃないか?さすがにそこまで馬鹿じゃないとは思うのですが。

 

民衆の叫び

「汚職や伝統的な政治のあり方と闘ってくれたすべての人、特に我が国の若い民主主義の憲法の定めを破ることなく闘ってくれた皆さんに感謝します。」

「デモ行進をしてくれた皆さん、広場に集まってくれた皆さん、バラの花を渡してくれた皆さん、選挙を実現してくれた皆さん、信じてくれた皆さん。そういう皆さんのお陰で、世界はグアテマラの真の顔を振り向いて見ることとなったのです。」

「そして2015年の今、グアテマラの民主主義に疑問を唱える人がいるでしょうか?その答えはもちろんノーです。我々の民主主義は完璧には程遠いものではあります。わずか数ヶ月前、グアテマラ国民は汚職や不処罰に異を唱えるために立ち上がり、1944年に達成したのと同様の成果を上げました。」

「しかもその行動は模範的なものでした。若者も老人も国会議員に議事を進行するよう要求するために、銃と弾丸ではなく花を差し出したのでした。デモ行進ではモニュメントを破壊したり建物に落書きするのではなく、愛国心に燃えて参加し、思いのたけを込めてグアテマラ国歌を歌いました。それだけではなく、海外におけるグアテマラ人もこの民衆の要求に賛同し、喜んでデモ行進に参加したのをソーシャルネットワークを通じて見ることができました。」

「世界中の親愛なる皆さん、これがグアテマラの顔です。優しくかつ勇敢、敬意とエネルギーに満ち、親切であると同時に誇り高く真っ直ぐなのがグアテマラです。それが我々であり、こう見て欲しいと願っている我々の姿なのです。」

2015年に大統領・副大統領が汚職に関わったとして逮捕された後、次期大統領に選出されたジミー・モラレスの就任演説の一部です。

民衆の叫びにより選出されたこの大統領が、2年後の今、民衆に背を向けるようになるとは、あの時誰も想像しなかったでしょう。

昨日は「危険だから」という理由で本日予定されていた独立記念日のパレードを中止した大統領ですが、多くの学校は例年通り、このパレードを実行しました。もちろんトラブルなどありません。

大統領のメンツが丸つぶれとなってしまったためか、独立記念日を祝うメッセージすら出していません。唯一出したのは、昨日の「危ないからパレード中止」というのを正当化するためのビデオ。

ヴァンダリズム。うむ。褒められる行為ではないし、該当する人は自分から名乗りでてほしい。相手につけ込まれる隙を作っちゃダメでしょ。

そんなジミーは置いておき。

本日は14時から国会が開催されるということで、当然多数の人がデモにやってくることが予想されました。というわけで、ちょっと出かけてきました。

パセオ・デ・ラ・セクスタをトコトコ歩いて行ったのですが、祝日の今日はものすごい人出。その中をかき分けるように、まずは憲法広場へ。

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国家文化宮殿には旗がたくさん。ここには礼装を身につけた警官がたくさんいましたが、警備に当たっているというよりは休憩していたような。

ここにはたくさんの屋台が出ていて、なかなかの賑わい。昨日掲揚されなかった国旗掲揚台には未だに旗が掲げられていませんでした。

そこで軽く食事をとって、国会方面へと向かいます。

DSC07681

14時ちょっと前だったのですが、付近は国旗やらプラカードやらを手にした人が大勢集まっていました。鳴り物もピーピーどんどんと派手になっています。

当然警官隊も警備に当たっているのですが、ちょっと問題なのが議員が到着する時。国会の建物の裏側に駐車場及び通用門がありますが、全議員の分の駐車場がないので、通常は車で乗りつけて通用門前で降車する、あるいは自分で駐車場に止めて徒歩、ということになりますが、この日は怒りに燃える市民がすでに通用門前をブロックしている状態です。

駐車場や、途中の道路で降車し、警官らに護衛されながら国会まで行くわけですが、待ち構えていた群衆から罵声やら水(ビール?)やら何やら色々浴びることになり、議員もそうですが護衛している人も大変です。なお、現場には人権擁護庁の職員の他、国連人権高等弁務官事務所の職員も立ち会っていました。

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実は今朝の新聞に刑法改正に賛成票を投じた議員107人の名前と顔写真が掲載されていたのですが、それを手にする人もちらほら。議員が到着すると、顔と名前を確認し、反対票を投じた議員は拍手喝采で迎えられたのでした。上の写真、こぶしを上げているのは、刑法改正に反対票を投じたサンドラ・モランです。

こうして国会は開会し、先日可決された議案は2つとも無効という、手続き的にはどうなのよ?という結果になったのですが、議員さんたち、これで許してもらえると思っていたら大間違い。

この時には私たちはもう帰途についていたのですが、その後も国会前と通用門のある後ろにはどんどん人が押し寄せてきて、身の危険を感じた議員さんたち、出たくても出られない状態となったのでした。

22時半を過ぎても議員さんたち缶詰状態で「誘拐された」「警察は何をやってる」「内相は何をやってる(ずっと問責決議やって癖にどの口が言うんだか)」「テロリストだ」「人権擁護局に人心保護請求しろ」とまあ、普段この危ないグアテマラで危険を冒して生活している一般市民から見たら何を贅沢言っとるんだというようなものばかり。この方たち、やっぱり住んでる世界が違うのかな。それでも、そろそろ我慢も限界なのは事実で、嫌な感じになってきます。

グアテマラ版テロリストの図。

人身保護請求の方は判事がやってきたものの、抗議グループが中に入るのを妨げた模様。うーむ、抗議している人たちは若者が多く、引き際というものを知らないのかも。

夜も更けてくると参加者の数は減ってきますが、それでもまだ数百人がその場に残っています。22時半過ぎ、抗議グループの代表者が「ニネット・モンテネグロと話をしたい」という要求が出されます。ニネットは先の投票でも反対票を投じており、汚職追求にも熱心な、クリーンな政治家として知られている人です。

抗議グループからの要求は5つあったとか。大統領の不逮捕特権剥奪手続きを再度行うこと、選挙法の改正、特定の議員の辞任など。ちょっと要求が大きくないか。。。それでも最初は議員全員辞任とか言っていたから、かなり譲歩しているのかもしれない。。。

駐車場で待機中の議員さんたち。

その後議員は話し合い。議員たちが群衆に暴力を振るわれることを目的に強行突破し、内相と人権擁護局に責任を負わせるという戦略まで話し合われていたとか。

23時を過ぎて警察が対テロ隊を現場に派遣、議員「救出」用のバスを用意します。盾などで武装した警官らが抗議グループを押し返し、従わない人にはトウガラシスプレーをプシュッ。間隙を縫って警官が議員をなんとかバス5台に押し込んで脱出成功。行き先は不明らしいですが・・・(警察署だったそうです)。

その時点で、抗議グループは一時騒然とします。警官が場所を空けるために実力行使をしたようなのですが、て、投石などもあり、逮捕された人も怪我した人もいるようですが、その後は国歌を歌って気持ちを落ち着け、抗議行動は続く(テレビ生放送も続く)。

というところでそろそろ日付が変わりそうなので、今日はここまで。

独立記念日前夜

毎日日にち、いろいろなことが目まぐるしいグアテマラです。加えて明日は独立記念日。いやがうえにも愛国心の盛り上がるこの日、ダークサイドに落ちてしまった大統領やら国会議員に怒りを燃え上がらせ遂に立ち上がったグアテマラ国民だが。。。

というわけで昨日の続きです(え?)。できるだけ時系列に追ってみたいと思います。

1. 憲法裁判所への保護請求

昨日の国会での刑法改悪について、最初に法的措置を取ったのは、大統領がCicigのイバン・ベラスケスを追い出そうとした時と同様、人権擁護庁(PDH)のホルダン・ロダスでした。前回と同様、憲法裁判所に保護請求を提出したわけですが、上の写真の受領印にご注目。

「9月14日01:28」。これって午後1時28分じゃなくて午前1時28分です。いやいやいやいや夜を徹して仕事をしていたホルダンもすごいけれど、憲法裁判所ってこんな時間でも受け付けてくれるんですか。

なお、この日はこの後も続々と保護請求が憲法裁判所に届いたのでありました。

(追記と訂正:一番最初に保護請求を出したのは、ホルダン・ロダスではなくミルナ・マック財団のヘレン・マックだったそうです。ヘレンは9月13日の午後に既に書類を請求していたとのこと。)

2. 国会前での抗議は続く

国会前だけではなく、今日は国内各地、特に県都でも抗議行動がありました。「(民主主義が葬られ)喪のグアテマラ」という意味での黒い国旗や血に染まった国旗、葬儀用の花輪の他、議員らを表すピニャータ(ハリボテの人形)などが用意されていました。このピニャータ、後に燃やされたのではなかったかな。

3. ジミー、お金を返す

今までに受け取っていた40万ケツァルを小切手で、そして8月分の責任手当5万ケツァルの小切手はまだ銀行にデポされていなかったようです。一番下は領収書。

13日の小切手ですから、これを受け取った国防省が昨日の内に自分の口座にデポジットしていたなら、今朝には交換所に出されてクレジットされているはずです。クレジットされたところまでちゃんと見せてほしい。こんな金額の小切手をささっと切れるなんてどんだけお金を持っているんだか。でもね、小切手切ったけれど、不渡りだったーなんてこともないわけじゃないですからねぇ。

てか、こんなことがニュースになるって時点で、間違っている。

4. ジミー、拒否権について発言する

イバン・ベラスケス追放作戦以降、マスコミの前で一言も口をきかない大統領ですが、誰かさんからお尻を叩かれたようで、報道局作成のビデオにて登場です。曰く、「昨日可決された法改正については、まだ大統領府に送られてきていない。受理したら、内容を検討した上で必要であれば拒否権を発動する」。

こんなにニュースになっているのに、「届いたら検討する」ってどんな政治家なんだか。

5. 国会議員ら、後悔する

市民の怒りが一瞬で燃え上がった様を見て、恥知らずで面の皮のぶ厚い国会議員らも、どうやらまずいことをしてしまったと気がついたらしいです。本日、各党の代表が国会に招集され「昨日の法改正につき、拙速だったから無効としたい、そのために明日国会を招集する」ことで話がまとまったそうです。

上の写真は与党FCN-Nacionの党首ハビエル・エルナンデス。左側が昨日の法改正が成立した時の雄叫び、右が本日国会に呼び出された時。可決後にパーティーして悪酔いした後に、冷水を浴びせかけられたかのような顔。

今回の一連の出来事の首謀者の一人と目されています。

なお、何人かの国会議員は「昨日は大急ぎで可決したから、内容よくわかってなかったんだ、反省してます、ごめんなさい」だそうです。

そう言うのを税金泥棒って言うんだよ。

6. 憲法裁判所、情報を寄越せと国会に通告

憲法裁判所は受けた保護請求につき、事情を「4時間以内に」送るようにと命じます。どうでもいいですけど、今の憲法裁判所、やたらと仕事が早いです。

7. 独立記念日の公式行事始まる

夕方にカテドラルで行われる感謝の祈りで公式行事が始まります。

ただし、大統領も副大統領も欠席。プロテスタントだから?でも昨年は出席していたのではないかしら。閣僚や外交団が出席するナショナルデー関連の行事なのに、正副大統領が出席しなくてもいいのかしら。

8. その頃憲法広場では

ちょうど仕事を終えた帰国時間となり、国会前に集まっていた人やら更にやって来た人々が、カテドラルや国家宮殿のある憲法広場へと集まってきます。

この広場では、15日に「独立記念日パレード」が行われることになっており、それ用に舞台が設けられています。更に今日はカテドラルでの祈りの後、国家宮殿で独立記念日を祝うレセプションが予定されており、多くの貴賓が来る予定。

・・・というわけで、当然集まった国民の意気は揚がります。

憲法広場には柵が置かれ、憲兵が警備に当たっていたのですが、群衆が押し寄せ、柵を越えるとどどっと雪崩れ込んだのでした。「憲法広場はジミーのものじゃない、国民のものだ」と言うなんともごもっともなコメント付。

その後は国旗を手にした人たちが1821年の独立記念日もひょっとしたらこんなんだったんじゃ。。。と思わせるような盛大な祭りとなったのでありました。

9. 憲法裁判所、保護請求を認める

いつの間に国会からの報告が届いたのかは不明ですが、憲法裁判所は「この法改正は、グアテマラの司法に修復不可能な損害を与える」という厳しい言葉で保護請求を一旦認める決定を下します。

手続き的には、この後最終的な判断が下されることになります。

10. ジミー、怒る

カテドラルをブッチしておきながら「暴力的な抗議行動のせいで今日と明日の公式行事は中止!!!プンスカ」と、どうして国民が怒っているのかを相変わらずわかっていない「月の人」ジミー。

おまけに「今日の暴力行為について、捜査を行うよう担当当局には既に指示した」のだそうで、担当のフランシスコ・リバス内務省長官(前列右から2人目)の表情が微妙なのが笑える。汚職の捜査もちゃんとやれ、ってもちろんお尻を叩いていますよねぇ?

閣僚たちはレセプションのためにやって来たのであって、まさかこんなビデオに付き合わされるとは思わなかっただろうな。

なお、明日の独立記念日パレードですが、大統領は中止!と言っていますが、参加各団体(学校)の方は中止する予定はないのだそうな。そりゃそうだ、大統領がいてもいなくても関係ないもの。デモの人たちがパレードに手を出すとも思えないし。どんだけパラノイアなんだか。

それに、言わせてもらえれば、先日のグアテマラ市の行事に参加した時、その場にいた学生さんたちをマスコミを避けるための盾として使っていたのはどこの誰でしたっけねぇ?

11. そして夜は更ける

内戦時代からグアテマラでは学校で「シビック・アクション(市民行動)」の授業が必須になったそうですが、これこそ誰からも強制されないシビック・アクション。ダークサイドの大統領や議員からこの国を自分たちの手に取り戻そうという怒りと行動。

そこまで国民を本気にさせた国会議員もすごいというか、酷いというか、ではありますが。

一旦今日は皆家に帰って、明日また抗議行動が続く予定です。

 

2015年に当時の大統領を辞任に追い込んでから2年。たった2年でダークサイドが勢いを取り戻し、この国を再び闇の世界に突き落とそうと画策中。これに対するは助っ人イバンとワンダー・テルマと一般市民。

そう言えばテルマさんは今日CNNのインタビューを受けていました(こちら)が、その後で同じCNNのフェルナンド・デル・リンコンが大統領府の報道官ハインス・ヒーマンに「暴力行為」について聞いているビデオがあります(こちら)ので、スペイン語のわかる方は是非ごらんください。「平和的な抗議に対しては、抑圧行動は取らないと約束しろ」と迫るフェルナンドに約束できないハインス。

相変わらず何言ってるんだかわからない、地雷を踏みまくりの報道官だな。。。

悪は眠らない

昨日は昨日で口があんぐりした日でしたが、今日はそれに輪をかけてあんぐりしたというか、呆れ果てたというか。

大統領に支払われていた月額Q50,000の「責任手当」について、未だに詳細は明らかになっていないものの、会計検査院は「大統領自ら事情を説明するか受け取った金額を返金する」ことを進めています。やはりこの省令というか内規、ちゃんと官報に掲載されていなかった(すなわち無効)ようです。加えて、通常公務員の給料は銀行振込であって小切手では支払われないのだとか。加えて所得税が源泉されるはずのところ、それがされていないと言うのもおかしな点。

「部下が上司に給料を支払うことはできない」という会計検査院の指摘もなかなか笑えます。

そちらの方はそんな感じ。そして今日の話題はこちら。

汚職で告発されている大統領やら議員やらがいるグアテマラですが、今日は国会で刑法改正案の審議が「国家の緊急の要請のため」緊急動議として提出され、あっと言う間に可決されたのでした(緊急動議の場合、定員の2/3以上の賛成が必要)。

盗人猛々しいというのは正にこのこと。なんとなんと、刑法改正により、現在告発されている大統領・議員らへの告発そのものを無きものにしてしまった。選挙資金法違反は現在党首が責任を負うこととなっていますが、それを会計士に変更したのですね。

思うに、今頃どこの党でも会計士が辞表を書いているに違いない。

加えて、かなりの刑について、懲役刑を科さないようにも変更を加えています。こうすると、大統領の息子と兄も、有罪となったとしても懲役刑を免れる。殺人犯も恐喝犯も暴行犯も麻薬犯も皆みんな、執行猶予になるかも。

なんじゃこりゃ!!!

可決された改正刑法は、この後大統領がサインした後、官報に掲載されて発効します。大統領には拒否権あり。

でもね。

大統領はこの前の不逮捕特権の件で国会に大きな借りがあります。そしてその不逮捕特権は国会で止まっている。大統領が拒否権を行使したら、この書類が再び取り上げられることとなるでしょう。加えて、息子と兄は懲役刑。

大統領、すでに悪魔に魂売り渡してるからなぁ。大統領を説得できるとしたら、所属教会の牧師さんくらいだと思うけれど、さて。

いやいや、よく計算して行動してるよ、と妙なところで感心してしまいます。賛成票を投じた議員て、大なり小なり汚職に関わっているってことなのか。汚職だって皆でやれば怖くない。過半数どころか2/3以上がダークサイドの議員だったなんて、スターウォーズ並みな展開すぎてクラクラするわ。ダークサイドに堕ちるだけじゃなく、地獄に落ちろ。

この無処罰同盟、きっと夜も寝ないであーだこーだとプランを練っていたんだろうな。悪知恵を働かせる頭があるのなら、グアテマラのために使って欲しかったよ。

あまりのことに今日は国会前で抗議デモがありました(もう22時ですが、まだ結構な人がいるようです)。中にはハンストをする人も。9月15日は独立記念日ですが、混乱の中で独立の日を祝う?ことになりそうです。

今までジミー大統領を擁護していた人たちからも、今日は擁護の声が聞こえてきません。

さすがにこれはダメでしょ。擁護できない。

こちらは在グアテマラ米国大使館がFacebookにアップした画像。

グアテマラ国会によれば

学校? = 国家の緊急課題には該当しない

道路? = 国家の緊急課題には該当しない

病院? = 国家の緊急課題には該当しない

選挙資金法違反の改正? = 国家の緊急課題

やっぱりCicigって必要じゃんか。