今日の主だったニュースは今のところ2つ。
1つは外務省からの「新しいCicigコミッショナーリストを至急送れ」という一方的な通告に対し、国連は「コミッショナーを変える理由がない」と軽く一蹴したのみならず、「コミッショナーは(グアテマラにいることができる)補佐を任命することができる」と付け加えてきたのでありました。政府的にはオウンゴールだよね、これ。
この補佐の任命権はイバン・ベラスケスにあるというわけで、当然SNS界隈は「テルマ・アルダナ(前検事総長)」「フランシスコ・リバス(前内相)」「フランシスコ・フォッパ(前国税庁長官)」などなどと姦しい。誰がなるのか、楽しみだな。
もう1つは、9月16日の憲法裁判所の「Cicigコミッショナーの入国を妨げるな」という決定に関連します。この時の決定が「イバン・ベラスケスの入国を妨げるな」と名指しではなく「Cicigコミッショナーの入国を妨げるな」というものだったため、大統領とその仲間は「イバンの馬鹿はもうコミッショナーじゃないからさっさと次を任命しろ」という無茶苦茶な(というか必死な)要請を行っていたわけですが、これについて、「コミッショナーとは誰の事を指しているのか明らかにしてほしい」という保護請求が再度提出されていました(まったくもう面倒くさい人たちだな)。
当然といえば当然なのですが(理解できないのは大統領とそのお友達だけ)、憲法裁判所は「コミッショナーであるイバン・ベラスケスの入国を妨げてはいけない」と当該コミッショナーは誰なのかを確認しております。「この決定に従わない場合は、法的措置が取られる」とこの点もクリアーにしています。
さて今度こそ、イバンは帰って来られるのでありましょうか。
それ以外では、昨日フランシスコ・サンドバル検事がサンドラ・ホベル外相について「私には告発義務がある」と検事総長に訴え出た件は、検事総長が担当検事局(昨日夜だったので、当番検事局でしたが)に送り、そこから公務員犯罪検事局に転送されて捜査が開始しています。
また、16日の憲法裁判所の記者会見席上、その場にいる新聞記者らの写真を携帯で撮っていた女性がおり、問い詰められて「テレビ局で研修をしている」などと言いのがれていたのにその場から逃亡、憲法裁判所の警備に当たっていた警官らがその女性を通したことから警察官ではないかと疑われていました。なお、この人物は外に出るとナンバープレートのないバイクで走り去ったのですが、肝心の携帯を落としてしまい、現在これも検察が捜査を行っています。
この事件で、今日内務省次官が「あれは憲法裁判所から警備を頼まれていたからだよ」というまったく意味不明の弁明をし、憲法裁判所から「ウチが頼んだのは外の警備だってば」と反論されているという有様。でも、これって逆にあれは警察官だったってことを認めたことになるんじゃ。。。近頃の警察官ってのはナンバープレートのないバイクを乗り回しているものなんですかねぇ。
もう一つ付け加えておいた方が良さそうなのは、昨日朝、閣議が行われたのですが、この時「Cicigを廃止する」という閣議決定が合意されたという噂があること。副大統領のハフェット・カブレラは閣議決定の存在を否定していますが、噂によれば、この閣議決定はやはり昨日の朝アメリカから流れてきた「マヌエル・バルディソン(元大統領候補)がマネーロンダリング容疑でFBIに逮捕された」というニュースにビビってお蔵入りになったのだとか。いかにもチキンなこの政府ならありそうな話すぎて、本当にしか思えません(笑)
バルディソンはグアテマラ国内での汚職容疑(オデブレッチ事件)で逮捕命令が出ていますが、ニカラグア経由でアメリカに逃れようとしたところ、アメリカのビザが失効していて不法入国として逮捕。当初は政治的嫌がらせを受けていると亡命申請をしていましたが却下され、本当なら先週のうちにグアテマラに強制送還されているはず、でした。それがどこでどうしたのか、送還が延期となり、気がついたら逮捕されていたという。これがグアテマラに対する警告だったというんですよね。
実際問題として、あの憲法裁判所の決定を理解できなかった人たちに、こんなわかりにくいメッセージが伝わるのかと言われると甚だ疑問ではありますが、アメリカ様のおっしゃることには妙に素直なのもまたこの政府の傾向ではあります。国連には歯向かうけれど。
そして明日20日は、大学生らの呼びかけによるデモ行進が行われます。他の大学の学生(大学ではなく)や一部学校、商店などもこれに呼応し、首都のみならず地方都市でもやはりデモ行進が行われる予定。
それに先立ち、サンカルロス大学の学生らが防衛省、検察庁、最高選挙裁判所の前でデモしておりました。検察庁と最高選挙裁判所の前にいたのは、小僧が所属する工学部のリーダーたちであった模様。
この制服というか、KKKのようなこのスタイル、私は好きではないのですが、アイデンティティーを隠す内戦時代の遺産です。黒とグレーのツートンカラーが工学部。工学部生ならみんなこの覆面をしているというわけではありません。一部の学生が参加している部活的なものとでも言ったらわかりやすいですかねぇ。
笑っちゃったのが、最高選挙裁判所(TSE)では先方から「話を聞くから中に入って」というまさかの対応にあい、数人がゾロゾロと入っていくとちんまり座って対話をしていたという。その写真、なんとも笑えます。TSEやるな(笑)
おまけ。先々週だったか、こんな夢を見たことがあります。見たというか、ラジオのように映像がなくて音声だけ、でもクリアーに「モラレス大統領の辞任の後 (tras la renuncia de Presidente Morales)」と聞こえたのでした。目が覚めた時、これって本当のこと?と一瞬思ったくらい明瞭だったのですが、果たして正夢になるのか。
グアテマラシティで行われるデモ行進のルートはこちら。
アルコール禁止、政治的プロパガンダ禁止、覆面禁止、武器禁止、塗料禁止。守られる気が止ない(笑)
なお、宿題が溜まっている我が家の大学生は明日は「行きたいけれど。。。」だそうです。
政府の出方が心配ですが、参加する人たちにとって、暴力行為の一切ない、良い1日となりますように。