Monthly Archives: September 2018

子どもの日

フルタイムで仕事をしていると、貴重な週末はあっという間に過ぎてしまい、もう日曜日の深夜。特に何をするわけでもないのに、時間が経つのが早いのは、充実しているから?だといいんですが、実はダラダラしているだけだったりしてね。。。

今日はちょっと買い物があり、エルサル街道を下ってグアテマラシティまで出かけたのですが、月末(給料日)に加えて明日10月1日は子どもの日(でも祝日じゃないよ)というわけで、あちらもこちらも大混雑の大渋滞。子ども向きとは思えないようなホームセンターにも子どものためのコーナーがあって、顔にペイントしてくれていたり。このホームセンター、子ども向けのもの置いてるわけじゃないんですけどねぇ。

市役所でもこの日は子ども向けのイベントをやってるところがあったりしまして、Cicigのシの字も出てこない週末ではありました。だからといって何もない平穏な週末だったというわけではないのがグアテマラだけれど。

これはアンティグアの病院で行われた子どもの日イベント。この着膨れ衣装、ドリフみたいだー(笑)

子ども達の将来が明るいものであって欲しいと心から願うのですが、実際のところはかなり厳しいというのが現実です。貧困や栄養失調といった問題は喫緊の課題であるはずなのですが、それともこれって政府に任せきりではダメ系な事業になってしまうのでしょうか。

それでもこの日だけは、子ども達が主役になって、満喫してくれるといいのですが。

 

マーダック騒動

マーダックというバンドをご存知の方はいらっしゃるでしょうか?スウェーデンのブラック・メタルバンドで、既に世界各地でコンサートを行っているんだそうな。日本はもちろん、グアテマラにも来たことがあるバンドだそうです。

私は全然知らなかったのですが。

このバンドが一躍話題を呼んだのが今週。10月にグアテマラ公演の予定があるのですが、まずはキリスト教関係の人たちが、このバンドの公演中止を呼び掛けるインターネット署名を呼びかけたのでした。

私はロックといえばスクール・オブ・ロックが精一杯で、ブラックメタルはおろかヘビメタも苦手な人間なので、にわか仕込みではありますが、ブラックメタルと言えば、反キリスト、悪魔崇拝、ダークな世界、反社会的、そう言ったスタイルなのだそうであります。

「このヘビーメタルバンドは世界で最も悪魔的だ」という、清く正しいキリスト教徒が言い出しっぺであるようですが、すごいな、65,000件以上も集まっているじゃないか!

ここまでだったらどうってことはない話、ではあります。

今週の水曜日のこと。国会でこのマーダックのことが取り上げられ、「文化スポーツ省にマーダックの入国を認めないよう要請する」という決議案が賛成多数で可決されてしまったのでありました。

これには一同、口あんぐり。だって国会と言えば、本家本元の悪の巣窟、悪魔の棲家ではありませんか。そこの悪魔どもが一体どの口でバンドの批判をするんだって。こいつらからしたらマーダックなんてきっと可愛いものだよ(聞いたことも見たこともないけれど)。それともライバル心なのか???

国会議員の頭の中では、どうやらグアテマラはこんなユートピアであるらしい。

ううう、ちょっと怖いぞ、こんな国。

それにしても国会議員のダブルスタンダードはさておき、「信仰の自由」が保証されている国で、「悪魔的」だからというだけで、反社会的なメッセージを送っているとはいえ、反社会的行為を行っているわけではないバンドの入国を禁止することができるのか?しかも過去に2度来ているのにね。

以前来た時は、こんな感じで憲法広場を観光していたらしいです。

もし入国禁止となったら、イバン・ベラスケスに続いて入国禁止という名誉を勝ち得てしまいますね、このバンド。

入国禁止に賛成票を投じた議員の何人が、このバンドの音楽を聴いているのだろう。実際に国会で演奏させて、その上で可否を判断して欲しいぞ(笑)。本当は、国会にはこんなことよりももっと優先して頂きたい課題はた他あるのですが。

ちなみに、グアテマラだけではなく他の国でも物議を醸しているようで、コロンビアではボゴタ市長が予定されていた会場を閉鎖して実力阻止しようとしたらしい。その後どうなったか知りませんが。

マーダックにとっては、無料でものすごい広告をしてもらったようなもので、デメリットはあまりなかったかも。プロモーターには痛いでしょうが。

そして一連のこの騒動、自分の宗教や価値観が絶対的に正しいと信じ込むことの危うさをも教えてくれたのでありました。自戒を込めて。

IGSS-PISA事件の一審判決

昨日はジェノサイド裁判の他、IGSS-PISA(イクスーピサと読みます)事件の判決もありました。

IGSS-PISA事件は、社会保障病院であるIGSSが腎臓病患者のための腹膜透析治療をピサ社と契約した後、患者が感染症のために亡くなるケースが続出したもので、ピサ社の選定に賄賂があったとされていたものです。これとは別にIGSSーチキムラ事件という、同様の汚職事件も一緒に裁判が行われていました。

有罪判決を受けたのは12人。

IGSS執行部

  • フアン・デ・ディオス・ロドリゲス(元IGSS総裁)
  • フリオ・ロベルト・スアレス(元グアテマラ中央銀行総裁)
  • フリオ・アンパロ・ロタン(労働者代表)
  • マックス・エルウィン・キリン(経営者代表)
  • アルバロ・マノロ・ドゥボン(元IGSS副総裁)

IGSS入札委員会

  • ドリス・エルビア・ゴンサレス(元看護婦、IGSS入札委員)
  • マイラ・リスベス・ゴメス(元看護婦、IGSS入札委員)
  • アルバ・マリッツァ・マルドナド(元看護婦、IGSS入札委員)
  • デリア・ハイディー・カスタニョン(元看護婦、IGSS入札委員)
  • カルメン・ヤディラ・ヒル(元看護婦、IGSS入札委員)
  • オットー・フェルナンド・モリナ(元IGSS顧問)
  • フランシスコ・コルテス(元IGSS人事部長)

いずれも詐欺行為で有罪とされ、懲役刑は6年3ヶ月と罰金刑という、多くの死者を出しているのに軽い刑です。検察は共謀も含めて懲役28年を求刑していましたから、かなり軽い感じ。裁判所は共謀については「組織として活動したわけではなかった」というちょっと納得の出来ない理由で、これについては無罪と判断しています。

ピサ社の社員側は無罪放免。IGSS-チキムラ事件は全て無罪。

裁判の間に当時最高裁判事であり、被告の一人オットー・フェルナンド・モリナの母親ブランカ・スターリングが判事に圧力をかけるなどした、難しい裁判ではありました。それにしても人間の命のなんと軽いこと!判決は第11刑事部のモレリア・リオス裁判長、陪席はパトリシア・デラスとミリアン・エルナンデスが担当しました。

この2つの裁判については、また改めて書きたいと思います。

 

やり直しジェノサイド裁判の判決

本年4月より、イシル地方の先住民が内戦時に虐殺された事件の責任を問う、やり直しジェノサイド裁判が再開しておりましたが、本日判決が下されました。

1982年にイシルの住民らが殺された事件を問うこの裁判、2013年に一旦「ジェノサイドはあった」として当時の大統領エフライン・リオス・モントに有罪判決が下されたものの、「裁判手続き上、不備があった」として一審判決が破棄され、裁判がやり直しとなっておりました。

裁判が結審する前に重要容疑者であるエフライン・リオス・モントは亡くなり、当時軍情報部の責任者で、前回の判決では「関係が証明されなかった」として無罪判決を受けたホセ・マウリシオ・ロドリゲス・サンチェスが一人被告として取り残されたのだから、運命は皮肉です。

さて、本日18時開廷が予定されていましたが、実際に始まったのは19時を過ぎてから。イシルからやってきた人たちは朝早くから裁判所タワーに集結しており、長い、長い1日だったと思います。

判決は「政府・国軍によるシステマチックなジェノサイドが行われた」「一方、被告の当時の階級を考慮すると、被告がジェノサイドを指示したという証拠がない」ということで、ロドリゲス・サンチェスは無罪。

無罪判決とは言え、政府・国軍の責任を認め、「ジェノサイドはあった」と判決文に記載されたことは特記すべき。

明日になれば詳細が出て来ると思うので、目新しい事があればついきしておきたいと思います。

四畳半の大統領

本日、ジミー・モラレス大統領が国連総会で演説を行いましたが、あまりにも酷い内容だったので、ここでは取り上げません。要約すると「ボクは無実だ、全部Cicigが悪い」。この1年ずっと引きこもって何もしなかったからな。「Cicigはグアテマラの平和を脅かす」って、それはつまりボク(=グアテマラ)の平和が脅かされているってことでしょう。

まったくもう、ジミーの世界は四畳半の部屋の中。ジミーが統治しているのはこの四畳半の中だけ。ただし、この四畳半の周囲にはごっついごっつい壁が何重にも建てられていて、倒すことは難しいのですよね。一方で四畳半の住人にも外の世界が見えていないのだろうな。

この演説で国際社会の理解を得られると思ったのかしら。むしろ、ベネズエラのニコラス・マドゥーロっぽく見えてませんかね?

グアテマラの方では、大統領留守番役のハフェット・カブレラが「政府は憲法裁判所に対し、先日のイバン・ベラスケスの入国を認めると言う決定の再考を要請した」「今日イバンが帰ってきても入国を認めない」んだそうで、何が何でイバンには国境を踏ませないつもりのようです。

どうやら憲法裁判所の決定は正しくないと言いたいらしい。それって憲法の擁護者である憲法裁判所の決定を無視する、つまりクーデターってこと?憲法裁判所の決定は現時点で効力を持つものなんですが。

この発言が命令不履行に当たるとして、告発する動きもありますが、コンスエロ・ポーラス検事総長は「憲法侵害があったかどうかを決定するのは憲法裁判所であり、憲法裁判所からの告発がない限りアクションを起こさない」ととりあえずは静観の構えです。

黙っていられなかったのは、次期大統領と囁かれるこの方。

「グアテマラには嘘つきな大統領はふさわしくない」と、相変わらずはっきりと物を言うテルマ・アルダナ前検事総長。「ジミー・モラレス大統領、もう嘘は辞めて司法に委ねよ」と言うタイトルのこの文章は、ジミーの国連演説に対する非難でもあります。

「あなたは選挙キャンペーンで『汚職も盗みもしない』と言ったではありませんか。あなたは汚職取り締まりの協力者ではなかったのみならず、その立場を利用して政治的決断を行いました。Cicig及びそのコミッショナー、イバン・ベラスケス氏への攻撃は、個人的な利害によるものです。今は国を優先し、勇気を持って司法に身を委ねるべきです。グアテマラ人は平和と正義を求めていますが、一方で発展と和解をも欲しています。『国の統合の象徴』が社会や経済を犠牲にし、自分の利害の為に国を利用している間はそのようなことは実現しません。あなたがやっていることは、グアテマラにはふさわしくありません。グアテマラ人はあなたの嘘は聞き飽きているのです」というような内容。

歯に衣を着せぬというのはこういうこと。ここまではっきり言い切れるってことがすごいです。

オットー・ペレスが大統領を辞任するしばらく前、政権が崩れていく様子をまるで泥舟のようだと思ったのですが、ジミー・モラレスは舟にも乗っていない、すでに溺れている状態のように見えます。ただし、周りからたっくさんの藁が投げ入れられていて、それを次々と必死に掴んでなんとかまだ沈まずにいるという。ここら辺だとpatada de ahogado(溺れる者の足蹴→無駄な努力)という言い方がありますが、ちょうどそんな感じ。

それにしても大統領の任期を終えて四畳半から出た途端、藁を投げ入れていた人たちがサッと引いていってしまうんじゃないかしらねぇ。遅かれ早かれ、司法の手はジミーに到達することh天地がいないでしょうし。

追放の地から

ライト・ライブリフッド賞というのは「現在のもっとも切羽詰まっている問題に対し実際的模範的な回答を示した人物・団体」に授与される国際的な賞で、「第2のノーベル賞」と呼ばれることもあるそうです。もっともそれはスウェーデンの財団が創設した賞だからなんじゃないかと思いますが、ノーベル賞との関係はないそうです。

そのライト・ライブリフッド賞の2018年の受賞者として前検事総長テルマ・アルダナとCicigのコミッショナーであるイバン・ベラスケスが選ばれたと今朝方ニュースが伝えていました。グアテマラの汚職追求に対する仕事が評価されたもの。

オットーさん、こんなところで名前出されても嬉しくない。。。よね?

どうやらこのコンビは高い評価を得ているようでありますね、グアテマラ以外では。「預言者は自分の故郷では歓迎されない」ってアレと同じようなもの?

相変わらず、グアテマラ政府はイバン・ベラスケスの入国についてはコメントしていません。「まだ帰ってきてないんだから、まだ起こってないことについては発言できない」なんだそうで、ああ言えば上祐的な何かなのか、こいつら。

そのイバンは、追放の地ニューヨークで今日こんなツイートをしています。

今日、Cicigの事務所前にバス7台に乗って多くの人たちがやって来ました。何でも「環境省で植林の作業をやる人を探しているから」と言われてバスに乗り、到着したのがCicig前だったと。何だ、Cicigの前に森作るのかい。

という話ではなく、どうやらCicigへの抗議デモをするために寄せ集められた人たちだったようです。「環境省」という話の他にも「ヨーロッパからの経済的支援」「道路掃除」なんてのもあったとか。

イバンのツイートは画像を消した音声だけのものですが、それに付いている文章は「必要としている人を欺いて貶め、利用するというのは、この悪意のある行為の首謀者のモラルの程度を示すものだ。哀れな」と、イバンの腹の底にふつふつと怒りが沸いているのが感じられるような文章です。

環境省は「無実だ」と言ってますが、さてどうなんでしょう。

実際、政府主導でジミー擁護のデモ行進が行われるという話があり(公務員は強制参加)、それ以外にも県知事が市長らにデモ行進を要請しており、サンマルコス県では市長が「そんなことに使う金はない」と反発しているのが報じられています。グアテマラの場合、知事は大統領が任命するので、知事が大統領べったりなのは不思議なことはないのですが。

そうそう、そう言えばその大統領、国連事務総長と10分間のアポを取り付けたそうです。さて、何の話をするんでしょうね。

大統領、国連総会へ出かける

割と静かな週末だったと思うのですが、ジミー・モラレス大統領は国連総会出席のため、ニューヨーク入りしましたとさ。

先日の憲法裁判所の決定については、金曜日の夕方になってやっとこさ関係者に通知がなされ、決定が効力を得ることとなりました。遅れた理由というのは、反対票を投じた判事の反対理由が添付されるのですが、これに時間がかかったため。わざとじゃないかとかかなり勘ぐられていましたが、実際にそうなんでしょう。というか、日曜日には「Cicigコミッショナーの入国を認めなければならない」と言っておきながら、水曜日には「Cicigコミッショナーであるイバン・ベラスケスの入国を認めなければならない」という決定に反対するというのは、土台無理があるので、無理矢理理由をつける必要があったのでしょう。というわけで反対理由というのは「わざわざイバン・ベラスケスと書かなくてもわかるから必要ない」というもの。

いやいや、大人の世界というのはしがらみが多くて大変です。

さて、通告を受けた後、政府はコミュニケを1枚ピラリと出しただけで、ノーコメント。

「グアテマラ政府は憲法擁護のために必要な措置をとる」「グアテマラ政府は常に対話を優先してきた」という、何が言いたいのか不明なもの。まだまだ予断を許さない感じです。

というわけで、折角国連総会に出席するんだったら、事務総長と話してくればいいのにね。きっとイバン・ベラスケスがそこにいるからイヤなんだろうな。

いろいろと、やっぱり見通しは暗いです。

そうは言っても、ニカラグアのようにデモに対する発砲といった強権力の行使がない分、グアテマラはまだマシなのかも。選挙で選ばれたというそのことだけを根拠に、その国を自分のしたいようにしてもいい、という制度に成り下がってしまった民主主義の将来もまた暗いです。