Daily Archives: March 29, 2016

映画と映画館の黎明期

昨日のエントリーのテアトロ・ルックスについて調べていた時、グアテマラの映画史というか映画館史的について書かれたものがありました。

もっとも、一番最初に映画をグアテマラで上映したのは誰かについては、はっきりしたことはわかっていないようです。わかっているのはそれが1896年だったということ。

最初の説は、イタリア人のカルロ・ヴァレンティ・ソリエが「映画の父」と呼ばれるリュミエール兄弟が発明したシネマトグラフ映写機(これって「ヒューゴの不思議な発明」に出てきたあの機械ですよね?)で動画を見せた、というもの。このシネマトグラフは大評判となり、多くの人が訪れたのだとか。その1ヶ月後の10月には発明王トーマス・エジソンが作った35mmセルロイドフィルムを使った映画がテアトロ・コロンで上映されたとされています。

もう一つは、カルロ・ヴァレンティ・ソリエの長男エミリオが映写機を持ち込んで上映したという説。昼間は仕事ををするエミリオの工房(版画か何か?)は、夜になると映画館に変身。

当時は娯楽と言えば演劇や、大道芸や、オペラやサーカス・・・ってところだったのでしょうか。テレビもインターネットもない時代です。安価に楽しめる映画は庶民の娯楽として広まり、あちらこちらに小さな映画館が登場します。

一方、グアテマラで最初に製作された映画はドキュメンタリーと言ってもいいのかな。1918年、コメディアンのフェルナンド・フラケルがロバが引く路面電車に乗ったり降りたりするところ。ええ、そりゃきっと面白かったに違いありません!!!今ならYouTubeにアップしておしまい、という内容のような。当時はテアトロ・バリエダーでこの映画が上演されたそうです。

こうして盛り上がった映画の黎明期でしたが、1917年と1918年の地震で倒壊してしまったそうです。

その後、1区を中心に多くの映画館が建設されたそうですが、映画館として残っているのはほとんどありません。カピトルくらい?私がグアテマラに来た頃はそれでもまだ多くの映画館があったのですが、それもどんどん閉館となってしまいました。

21世紀に入って、グアテマラではモールがいくつもオープンしているのですが、これらのモールにはシネコンが入り、IMAX、3D、4Dと言った最新のテクノロジーを有していたり、かと思うとゆったりしたシートにカフェサービス付きの優雅なスクリーンとか、各種様々に楽しめるようになっています。安くないけれど。

この後、もっともっと新しいテクノロジーが導入されたとしても、ポップコーンをほおばりながら映画の世界に浸れる間は、ずっと庶民の娯楽でいてくれるんでしょうね、きっと。

<参考>
El glamur en las salas