Daily Archives: October 29, 2015

住所表記

グアテマラシティで優れていると思うものの一つに住所制度があります。初めて行くような場所でも、住所があれば大体どの辺か見当をつけられるくらい。

たとえば、これ。
9a. Avenida 9-44 Zona 1

これは「1区の、9アベニーダの、9カイエと10カイエの間。9カイエの44番地の建物」という意味。

区は東京23区みたいなものですが、1区から25区まで(20区、22区、23区は現在存在していない)、全部で22の区に分かれています。

最後の2桁のつけ方にはキマリがあります。あるけれど面倒くさいので説明は省きます。要は、9アベニーダと9カイエの角にある家は9-00、9アベニーダと10カイエの角にある家は9-99になる、ってことさえわかっていればいいんです。

9アベニーダから10アベニーダに向っていくと、この番地の部分はは左手側の建物が奇数で右手側の建物が偶数、だったかな。右と左のどっちが奇数でどっちが偶数だったか良くわかってませんが、どっちかが奇数でどっちかが偶数です。

以上がわかれば、住所さえあればグアテマラシティはほぼ制覇したも同じです。

というのも、通りの名前は標識が立っているし、家の番地はちゃんと各家のドアの付近に表記されているからです。

グアテマラでは「誰それさんの家」みたいな表札を出すことはごく稀ですが、どの家にもどの建物にも 9-44 という番地表記だけはご丁寧にされています。なので本当に分かりやすい。

この住所表記を整備したのはラウル・アギラール・バトレスさんという方。

Raul Aguilar Batres

銅像にもなってます。

1949年(フアン・ホセ・アレバロが大統領だった時代)、グアテマラシティの都市計画課長に任命され、まず区分けをし、それからこの住所表記を整備したのでした。更にラス・アメリカス通りですとか環状線を計画したのもこの方。4区の道路整備をしたのもラウルさん。

というわけで現在のグアテマラシティはラウルさんが計画した姿が元になっているのでありました。

グアテマラシティのトレボルから南に向う幹線道路にはラウルさんの名前が冠され、Calzada Raúl Aguilar Batresと呼ばれています。上の銅像もアギラール・バトレス沿いに置かれています。製作したのはロドルフォ・ガレオッティ・トーレス。以前このブログに書いたよな、この人のこと(パート1パート2)。ラウルさんが1910年生まれ、ロドルフォさんが1912年生まれと同世代の人たちでした。ラウルさんは1964年に53歳で亡くなっていますが。

ラウルさんの住所表記は、その後グアテマラ国内の他の自治体でも使われるようになりました。

ラウルさんのお陰で、慣れない場所でも目的地付近にたどり着くのは比較的容易となりました。

逆に、別のところへ行くと住所からだけでは位置関係がつかめないでまごまごしてしまうこともあるのですが(笑)

例えばアンティグアとかお隣エルサルバドルのサンサルバドルとか。スペイン植民地時代に付けられた住所そのままなんだと思うのですが、 9a. Calle Oriente 134 と言う住所だと、ノベナカイエで、中央公園よりは東側、ってとこまではわかるのですが、どのアベニーダ付近かっていうのがわからない。地元の人なら見当つくのかも知れませんが。

ラウルさん、ありがとう。お陰で迷子にならずにすんでます。