Daily Archives: October 16, 2015

アレハンドロ・マルドナド大統領 I

ちょっと今さらなんですが、今日は現大統領アレハンドロ・マルドナド・アギーレ(Alejandro Maldonado Aguirre)のバイオグラフィーなどを。

ロクサナ・バルデッティの副大統領辞任の後本年5月14日に副大統領に就任、オットー・ペレス・モリナ大統領の辞任を受けて9月3日に大統領就任と、タナボタ的に大統領になってしまったアレハンドロさんですが、実は6歳の頃「大きくなったら大統領になる!」と言っていたんだそうです。

アレハンドロさんは1936年生まれ。1936年と言えば昭和11年で、
日本では職業野球が始まり、
ドイツではガルミッシュ=パルテンキルヒェンで冬季オリンピックがあり、
日本では二・二六事件やら阿部定事件があり、
スペインで内戦が勃発し、
ベルリンで夏季オリンピックがあり、
ソ連ではスターリンによる大粛清が始まり、
イギリスではエドワード8世が即位したと思ったら直ぐに退位してジョージ6世が即位し、
なぜか柴犬が天然記念物に指定されたという年でありました。
長嶋茂雄さんが生まれたのもこの年ですね。

グアテマラ的には、当時の大統領は独裁者として名高いホルヘ・ウビコ(大統領在任1931-44)でした。国民からの激しい抗議に持ちこたえられず辞任するという、最近どこかの国で見たのと同じような経緯を経たわけですが、後任には自分が操りやすいと見たフェベリコ・ポンセら軍人3人を任命しておきます。しかしポンセらも持ちこたえられず十月革命の後グアテマラ初の選挙が実施され、フアン・ホセ・アレバロが大統領に選出されたのでした。アレバロの得票率はなんと85%の圧勝。

アレハンドロ少年が「大統領になる!」と決心したのは6歳の時と言いますから、ウビコ政権末期にあたります。その後の民主主義の萌芽を見て、その決意が固くなっていったのは想像に難くありません。

アレバロの後を受けたハコボ・アルベンス(大統領在任1944-1951)が大統領であった頃、アレハンドロは反共産青年同盟(Alianza Juvenil Anticomunista)に加わります。このグループのリーダーはグアテマラの極右のリーダーとしても知られるマリオ・サンドバル・アラルコン(後に副大統領、内戦時代、暗殺部隊にも関与していた)。当時国外で亡命生活を送っていたカルロス・カスティーヨ・アルマスを支持しており、アルベンス打倒のために活動していたのでした。

というわけで、アレハンドロはアルベンスのことを「共産党員で、グアテマラをソ連のようにしようとしている」と非難していました。アルベンスの農地改革は「土地を接収して国有化しようとしている」と映っていたのでした。

この項、続きます。