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ホンジュラスのナンバープレート規制

グアテマラではコロナウィルス による非常事態宣言の30日延長が決定しまして、8月初旬まではとりあえず続くらしいのですが、正確には何日までなのかが段々わからなくなって来ている今日この頃です。

昨日テレビに登場した大統領は、グアテマラ、サカテペケス、エスクイントラ、ケツァルテナンゴの4県でのナンバープレートによる通行規制の2週間延長と「奇数日は奇数ナンバー、偶数日は偶数ナンバー」となったことを発表したのでありました。これってわかりやすくしたつもりなのでしょうが、相変わらず日曜日はみーんな外出禁止なので、土曜日に出られる車は月曜日にも出られる、土曜日に出られない車は月曜日にも出られないと、庶民の生活をわかっとるんかい!とちょっとイラッとすることとなったのでありました。

コロナウィルス対策としてのナンバープレート規制ってのはまったく馬鹿げている!と思う私ですが、どうやらスバラシイ!!!と思った人がいるようで、ホンジュラスでも首都圏・サン・ペドロ・スーラでこの規制が取り入れられることとなりました。

でもね。ホンジュラスって既に身分証明書による外出規制があるのですよ。それにナンバープレート規制が加わって、訳のわからないことになっています。なお、外出できるのは7時から17時の10時間で土曜日・日曜日は全日外出禁止。

  • 29日:身分証明書の末尾番号が0の人は外出可、通行可能なナンバープレートは奇数
  • 30日:身分証明書の末尾番号が1の人は外出可、通行可能なナンバープレートは偶数
  • 1日:身分証明書の末尾番号が2の人は外出可、通行可能なナンバープレートは奇数
  • 2日:身分証明書の末尾番号が3の人は外出可、通行可能なナンバープレートは偶数

という風になっておりまして、外出できるのが2週間に1回という厳しさです。しかも、外出できる日に自分の車が使えるかどうかわからないという。

もっとも身分証明書は一人一人チェックするのは大変すぎですから、違反しても摘発されることはまずないような気がします。ナンバープレートは摘発簡単。だったら身分証明書の規制やめればいいじゃん!正直者が損をする仕組みですか、これは。

当然のように批判の嵐だったようですが、先ほどこのナンバープレート規制を撤廃することが発表されました。今日1日だけだったのであれば、身分証明書0の人たち気の毒です。

明日になったら、また気が変わったりしてね。

大脱走

昨日のこと。ホンジュラスの北部ヨーロ県エル・プログレッソ市の裁判所で刑事事件の裁判が行われておりました。被告はエル・ポーキーというニックネームのパンディエーロ。マラ・サルバトルチャのリーダーの1人で、容疑は5件の殺人。なおエル・ポーキーはマネーロンダリング等の容疑で、2018年に懲役20年の判決を受けています。

さて、その裁判の真っ只中に、武装した警官隊がやって来ると、被告を奪って行ったのでありました。その間5分。監視カメラにその様子が写っています。この動画怖い。

警官の制服を着て武装しているのはポーキー配下のパンディーヤのメンバーと思われます。そう、パンディーヤグループがリーダーの奪回を行ったのでありました。

この事件で5人が亡くなっていますが、1人は犯人グループ、残る4人は警官・憲兵。犯人グループが着用しているのは、皮肉にも警察の対パンディーヤ部隊のものだそうです。

確かに過去にはグアテマラでもまるで映画のような容疑者奪回劇というのが存在しており、確かロケットランチャーとか使ってたんじゃなかったっけ。そういうリスクが高いから、その後「ハイリスク裁判所」と呼ばれる法定が設置され、被告の誤送にも裁判の最中にもものすごい警備体制が敷かれるようになったのでありました。ホンジュラスは、そうじゃなかったのか…。

これがグアテマラのハイリスク裁判所。左側、弁護人の後ろのガラス張りの棚のようなものの中に被告人がずらりと並んでいます。もっとも上の写真の被告はパンディーヤじゃなかったのだけれど、使い方は一緒です。

それにしてもこの脱走したポーキー、グアテマラに来るんじゃないかとも言われておりまして、グアテマラ側ではホンジュラスとの国境警備を強化しています。こういう方には来て頂きたくないけれど、国境をぜーんぶ警備するなんてことできるわけないし。くわばらくわばら。

それにしても、大脱走と言えばこちら。

何とのどかな脱走劇。長閑な?脱走劇と言えば、カルロス・ゴーンさんなんて方もいらっしゃいましたっけね…。

「安全な第三国」に関する合意の謎

昨年7月にアメリカ様がグアテマラその他に「安全な第三国になれ」と申し付けて来られておりました。アメリカに難民申請したい人たちは、アメリカではなく他の国で申請するように、というアレです。

これ、一度はジミー・モラレス前大統領がアメリカ様のためにいそいそとサインしようと準備をしていたところ、憲法裁判所から差し止めの仮処分を喰らい、ボツになったのでありました。

そこで終わりかと思ったら、7月26日にトランプ大統領が「グアテマラと安全な第三国に関する合意に署名した」と発表。

えっ。

サインしたのはアメリカ側が当時の国土安全保障長官代理ケビン・マカリーナン、グアテマラ側がエンリケ・デゲンハート内務省長官(当時)。ホワイトハウスの大統領執務室ですね。

この合意の内容が公表されることはなく、謎に包まれたままのでありますが、一方アメリカは既に国外追放にしたホンジュラス人をまとめてグアテマラに送ってきているし、どさくさに紛れてメキシコ人までグアテマラ送りとか。

さてこのデゲンハートがサインしたと言われている書類、新政権が必死に探していましたが、外務省にはないし、どうやら内務省にもないらしく、当地のアメリカ大使館にお願いしてコピーを一部もらったのだそうです。日本の桜を見る会の出席名簿もアメリカ大使館にコピーがあったり…するのでは。

そのコピーを分析した結果がこちら。

「グアテマラとアメリカの間で調印された移民に関する合意の附属書は存在していない。あるのは下書きのみで、これについては政府は責任を負わない」とジャンマテイ大統領。

つまり、合意書そのものは存在する、ということのようです。内容公表してくれればいいのに。合意に関する附属書については、元々メンションがなかったと思うので、どうしてここでそれについて「存在していない」とわざわざ言うのかは謎。多分、合意が一般的なものなので、細部を詰めるためなのだろう…。と想像をたくましくして見せるのみ。

今後両国間で詳細を詰めていくことになりそうです。これも前政権の宿題だったんだけれどな。

今もなお、アメリカを目指して祖国を出発する人もいる一方、メキシコから強制送還(行き先はグアテマラ?)される人もまた多々。

どんなに禁止しても、北を目指す人がなくなることはないのでありました。

トランプの壁

アメリカという夢を抱いて、2020年の移民キャラバンがホンジュラスを出発したのは先週のことでした。グアテマラ入国については問題なく、メキシコとの国境の町までは滞りなく到達したのでありました。

そして今週の月曜日(20日)、約3000人と言われるキャラバンはスチアテ川にかかる橋を渡りメキシコ入国を試みますが、国境の門は閉ざされています。移民局の担当者に「アメリカへ行くだけだから通して欲しい」と頼みますが、警官隊・軍隊に守られた移民局が譲歩するわけありません。「40人ずつ通るなら認める」というのが移民局のオファー。でもキャラバン側は「全員一緒」を譲りません。

キャラバンがスチアテ川に入っってメキシコ側へと入って行ったのは昼頃だったでしょうか。川に沿って並んだ警官隊らは催涙ガスを使用します。このキャラバン、子どもたちもいるのですが容赦ありません。

川を越えても、警官隊の列を越えようとしなければ問題なし。でもこの警官隊、果てしなく並んでおりましてなかなか大変。中には越境に成功した人たちもいたそうですが、その多くは夜になってグアテマラ側へ戻ってきたと言われています。メキシコ側に留まることで、摘発されるのを恐れたのだとか。そうしてスチアテ川のこちら側で様子を窺うのでありました。

「移民キャラバンの運命を待ちながらスチアテ川の辺りで一夜を過ごした後、歯をみがくホンジュラス移民の子。キャラバンはメキシコに入ろうとして警備隊に阻止された」。

こんなに小さい子が祖国を出てアメリカを目指す旅に出るのであります。

そして今朝。警官隊が不在となった国境を見たキャラバンは、再び川を渡ります。

キャラバンがまだ対岸にいるのに不在となったのは警官隊の交代のためか何かですかね?謎。

今日の目的地はタパチュラ!35kmの道程です。キャラバンの目的地はアメリカですが、Bプランとしてメキシコへの亡命申請というのも考えているのだとか。ちなみに最近のアメリカとグアテマラの取り決めでは、ホンジュラス人がアメリカへの亡命申請をする場合、グアテマラでやることとなっています。この取り決めの原本が、あるはずなのに見つからないというのが最近のグアテマラのニュース。

当然やって来るのが警官隊。これこそがアメリカのトランプ大統領が築きたかった壁に他なりません。メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領、中米人には容赦なし。催涙スプレーも使っているし、どんなに大勢いても敵いっこありません。

こうしてその大半が摘発され、バスで本国で送り返されることとなりました。中には逃れた人もいるようですが、この先1人とか数人で旅を続けるのはリスクも高いし、心細いでしょうね。

スペイン人ですが長くグアテマラで取材し、移民キャラバンにも同行しているアシエル・ベラのツイートから。

「今日、メキシコはグローリアから笑顔を奪った。少し前に若い彼女の実に幸せそうな笑顔を撮ったところだった。『移民キャラバンの中で、アシエルは最高の友達』と言ってくれていた。多分もう二度と会うことはないだろうが、彼女の笑顔と生きたいという熱意が心の底から好きだった」。

乾くホンジュラス

今週に入って雨の降らない日が続いていますが、先週辺りはかなりぎゃんぎゃんに雨が降っていたグアテマラです。

それなのにお隣のホンジュラスでは水不足とか。

上の記事そのものは、気候変動に対し積極的な政策を取るべき、という提言なのでありますが、実際には9月5日に政府は緊急事態宣言を行ったそうな。

この時点で、首都テグシガルパの130万人に水を供給する2つのダムの貯水量は65%(ここでちょっとあれ!テグシガルパってグアテマラシティより人口多くない!?って思ったのでありました)。その後も雨はさほど降っていないようで、今週から給水制限が始まったそうです。とは言え、実際にはずっと以前から水が来てない状態のところもあったようで、そうなると頼みの綱は給水車。

18日の記事によれば、ラ・コンセプシォン・ダムは3600万立方メートルの水を貯めることが可能なのに、あるのはわずかに700万と1/5以下。もう一つのロス・ラウレーレス・ダムはキャパが1050万なのに300万とこちらは1/3。

そう、冒頭の写真はダム、なのでありました。既に家畜が1000頭以上死亡、農作物にも大きな被害が出ているとか。

何でも過去30年間、このような干ばつはなかったそうです。水不足だと言っても、打てる手は特になく、せいぜい雨乞いするくらい?

私がグアテマラに来たのは1994年の11月でしたが、その年は干ばつの年で、給水制限もあれば計画停電も行われておりました。11月と言えば乾季に入ったばかりで、そんな時期に水がないとか、どんだけ大変だったんだろうと思います。

グアテマラも水源あたりの開発が行われ、水の量は年々減っているようではありますが、まだ何とか持ちこたえています。それができている間に対策を取れればいいんですが。

 

アシエル・ベラの見た移民キャラバン

このブログに以前から時々登場しているジャーナリストのアシエル・ベラが、先月からグアテマラシティ1区にあるスペイン文化センターで写真の展示会を行なっています。

スペイン人のアシエルは、昨年10月にホンジュラスから出発した移民キャラバンに、グアテマラとの国境付近からメキシコとアメリカの国境までキャラバンに同行しています。その彼が撮った多数の写真の中から厳選された(と思われる)写真数点が展示されているのですが、本日は本人の講演会がある!ということで仕事の後に行ってきました。

仕事の後のダッシュに失敗し、渋滞に捕まってしまったので到着した時には公園ももう半ばというところだったのが残念ですが、とりあえず到着。

スペイン文化センターには映画の上映などにも使われている小さなホールがありまして、ここが講演会場です。当然アシエルはもう話の最中で、彼が撮ったいくつものビデオを見せながら、その時々のことを説明してくれます。

私が見た時にはもうキャラバン一行はティフアナに到着したシーンだったのですが、キャラバンにいた2人の小さな子を連れたシングルマザーが「私たちはトランプが言うような犯罪者じゃない、ホンジュラスには機会もないし子供が勉強できる環境にもない、子どもたちのためにアメリカに行きたい」と話しているシーンですとか、ティフアナでの何日にも及ぶ待機状態の中、若者たちが音楽をかけて踊っているシーン(かかっていた音楽は90年頃に流行ったホンジュラス発のソパ・デ・カラコルだった)とか、国境の壁のこちら側でアメリカの警官隊から催涙ガスを発射された時のこととか、ずらりと並ぶメキシコの連邦警察の間に、スピーカーを持ったホンジュラス人の男性が立ち、ずーっとスピーカーで携帯電話に保存していた音楽を鳴らしているところとか、国境の壁の小さな隙間から一人ずつアメリカ側に渡っていくところとか、自身もキャラバンに参加しているトランスジェンダーの2人へのインタビューとか、たくさんたくさんありました。ニュースのみではなく、キャラバンの生の声に触れているアシエルが撮った顔のある人々の声。

面白かったのは、国境の壁の弱くなっているところを、アメリカ側から補強しているのですが、そこへメキシコ側にいるホンジュラス人たちが談笑しながら金具を押さえて手伝ったりしていたビデオ。ああいうの、なんか和みます。トランプさんも、一度国境に来てそういうのを見てみれば良いのにね。

質疑応答で「移民キャラバンに参加しているグアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドルの人たちはどのような理由でキャラバンに参加するのか」という質問にアシエルはこう答えていました。「グアテマラの場合は貧困が原因。エルサルバドルのようにパンディーヤに支配されている国では、もちろん貧困も原因ではあるが、パンディーヤへの恐怖が原因。ホンジュラスは三重苦。フアン・オルランド・エルナンデス政権の独裁という政治不信、貧困、パンディーヤへの恐怖というものが混じり合っている」とも言っていました。うん、これは理解できる。

ここで小僧のお迎えが来たので後ろ髪を引かれながら会場を後にしたのですが、興味深い内容でした。

講演会は今日だけですが、写真の展示は3月2日まで。2月15日にはアシエルによる展示解説があるようです。お近くの方は是非。

移民キャラバン再び

昨年10月、ホンジュラスとエルサルバドルから集団でアメリカを目指す移民キャラバンが出発し、最終的には故国に戻った人もいれば、何らかの方法でアメリカに潜り込んだ人、メキシコに留まった人など様々な結果となりました。

例えばフリエット(12)とノエミ(10)の姉妹のような、ハッピーエンド。2人はアメリカにいる母親に会おうとホンジュラスを出発し、ティフアナにたどり着き、コヨーテに1000ドルを払って国境を越えたのだそうです。そこで移民局に保護されますが、施設に3週間程度滞在した後、自由の身となってノースカロライナの母親とクリスマスイブに再会できたのだとか。アメリカ政府のシャットダウンの余波なのでしょうね。

皆が皆、こんなハッピーエンドで終わったわけではありませんが、このような話が伝われば、やっぱり自分も、と思う人がまた出てきても不思議ではなく。

そして今週14日にはホンジュラスからそして本日16日にはエルサルバドルから、新たな移民キャラバンがアメリカを目指して出発しています。ホンジュラスもグアテマラも国境の警備を固めるとか呟いていましたが、移民の方はそんなこと我関せずで、堂々と突破し、既に1000人ほどがグアテマラシティの移民の家にたどり着いたそうです。グアテマラ側では結構な警官隊が詰めていたようですが、ウチの政府も最近は言ってることがコロコロ変わるからねぇ。

それにしても、何もこんな寒い時期にもっと寒い北を目指さんでも。。。と思うのですが、米政府がシャットダウンしている隙を狙っているのかもしれないし、要は出たとこ勝負、ってことなのでしょう。

北を目指す人の流れは当分止まりそうにもありません。