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医師の感染

小僧の大学が5月末までの休校措置を発表し、それまでは講義も試験も卒業式も、皆ヴァーチャルで行われることが決定となりました。ヴァーチャル卒業式!なんじゃそりゃ。

グアテマラ国内の感染者は本日7人増えて46人となりましたが、昨夜感染が確認された人の中には、国立病院の医師が含まれており、ちょっとこれは嫌な感じです。

このお医者さん、69歳。グアテマラシティから南に行ったところにあるアマティトラン国立病院の医師の定年は60歳なんだそうで、それなのに何で仕事しているの?と言う疑問はともかく、NYから帰国した人の家族が妖精となり、検査の結果、陽性が確認されたのでありました。

と言うわけで、アマティトランの国立病院は閉鎖。この医師の元を訪れた患者さんたちについては、監視カメラや何やらをチェックして各人と連絡をとっている。。。らしい。いやはや、これはちょっとまずい感じです。患者さんと接する時は、マスクとかしていた。。。と思いたい。

遅かれ早かれ、市中感染はあるだろうとは思っていましたが、まさか病院からとは。影響がないといいのですが。

明るいニュースは、この交通が減っている(はず)の期間を利用して、私の通勤路であるムシュバル街道の再舗装工事が明日から行われることとなりました!カーブの多い山道で、ここは穴を塞いでもまたすぐ開いちゃうくらいやわやわな舗装だったのですが、それが解消されるなら大喜び!

でも今週は午後12時から15時頃まで、この道路も結構混雑していましたが、大丈夫なのかしらん。。。

もう一つ明るそうなニュースは、とにかくありとあらゆる業種の小売店がデリバリーサービスに参入しており、先週は休んでいたところも今週はやる気満々、ってことでしょうか。そんなに皆仕事をしてたら意味ないじゃん、とかも思いますが、経済動かしながら感染を食い止めるための微妙なバランスを探っているのやもしれず。。。

今朝は用事があって銀行に行ってきたのですが、我が家の近くのこの銀行、現在は8:30〜13:00で営業しております。9時8分に到着した時には、既に外に10人くらいの列が出来ており、列に並ぶこと10分くらいで店内に入れたかな。入り口では消毒ジェルを手にぴゅっとふりかけてくれるので、ありがたく頂き店内の列(5人くらい)に。こうしてやっと窓口へ到達したのでありました。

そうそう、外で並んでいる時に、警備員がマスクチェックをしておりました。マスクがない人は入店お断りなんだそうで、私の少し前にそう言う人がいたんですね。ところがどっこいここはグアテマラ。良くできたもので、銀行の前にはちゃんとマスク売りの少年がいるのでありました。このご時世、道端で売るんならマスクだよな、とは思っていましたが、銀行前というのは盲点だった。。。

ちなみに、トータルで30分弱で用件を終えることができたのですが、正午頃に昼食をゲットするために外にでた時には、とにかく銀行という銀行の周囲には長蛇の列ができておりました。店内に入る人の列もそうですが、駐車場またはドライブスルーに入るための車の列もものすごく、そのために渋滞ができている始末。皆何しに銀行に行くの。。。

もう一つ、今日気づいたこと。

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私のiPhoneですが、左上、通常ならキャリアの名前が表示されるところに#QuedateEnCasa(家にいよう)と表示されているのに気づきました。

最初に気づいたのは外出していた時だったので、ひょっとして居場所を把握されているのか!?とか思ったのですが、なーんのことはなくて自宅にいてもやっぱり表示されます。ちょっと安心したと言うか何と言うか。

それともひょっとして、キャリアの名前を変更したのかもしれないね!

と思ったのでありました。

純粋な水

ボトルウォーターやもう少し大型の容器に入って売られている水がありますよね。ここいらの国では普通Agua Embotellada(アグア・エンボテヤーダ)、ボトルウォーターと言うのですが、なぜかここグアテマラではAgua Pura(アグア・プーラ)、「純粋な水」、もう少し日本語っぽくすると「純水」と呼ばれます。

多分これは、最初にボトルウォーターを売り出した某社がつけた商品名「アグア・プーラ・サルバビーダス」の前半分が通称となったんじゃないかと思うのですが、じゃあこれは純水なのか?

というわけでちょいと調べてみました。

まずはスペイン語のお勉強。

Agua potable(アグア・ポタブレ) 飲料水
Agua purificada(アグア・プリフィカーダ)またはAgua pura(アグア・プーラ) 純水
Agua destilada(アグア・デスティラーダ) 蒸留水

水道の水が飲料にできる場合、アグア・ポタブレという言い方をします。飲めない水は「ノー・ポタブレ」。簡単。

グアテマラシティとかの上水道はポタブレ。ポタブレだけど大抵の人はこの水ではなくボトルウォーターを買って飲む飲みならず、料理用にもこの水を使うのですが、それは多分、浄水場から家にたどり着くまでに再び汚染される可能性があるし、24時間水道水がやってくるわけではないので、貯水槽などに貯めて使うという事情があるからでしょうね。最近では水道の蛇口にフィルターをつけて飲料とする人もいたりします。

さて、グアテマラのアグア・プーラ。製造方法のビデオがあったのでこちらでチェック。

ふむふむ。天然の水を汲み上げて少し休ませ、フィルターを通し、その後紫外線、オゾンと塩素で殺菌する。紫外線・オゾンはともかく、塩素を加えちゃったら純水とは言わないですよね。なーるほど、アグア・プーラはプーラなアグアではなかったのか。

それはともかく。

若干不便なのが他のスペイン語圏へ行く時。つい癖で「アグア・プーラ下さい」などとお店で頼もうものなら怪訝な顔をされるに違いありません。それがグアテマラ人なら「あ、グアテマラ人かい」と思われてすみそうですが、外国人が言おうものなら「変なスペイン語を操る外国人と思われそうじゃありませんか。

もう一つ困ったことに、グアテマラでAgua(アグア)と言うと、炭酸水のことだったりします。なのでレストランやお店などで頼む時は要注意。普通の水ならアグア・プーラですからね!なお、他の国では炭酸水のことはGaseosa(ガセオサ)、Agua gaseosa(アグア・ガセオサ)が普通かな。

なので、他のスペイン語圏へ行く時はちょっと緊張します。ボトルウォーターを買いたければプーラじゃなくてアグア・エンボテヤーダ、炭酸水が欲しければアグア・ガセオサと言わないとわかってもらえないので。

それにしても、グアテマラでだけプーラでないアグアがプーラと呼ばれるなんてことになったんだろう?アグア・プーラの中身もさることながら、そっちの方も楽しそう。誰か事情を知らないかい。

グアテマラにきれいな水を

風邪をぶり返しているような気がするのですが、どうやらそれはここのところ暑くなったり寒くなったりと気温の差が激しいのに、洋服なんかは暑さよりになっていて、案外気温の上がらない日とか寒い時間に体を冷やしてしまうことが原因じゃないかと、ようやく気がついたところです。

おばさんなんだから無理せずに着ぐるみしてればいいのか!ってことですかね。ゴホゴホ。

さて明日はWWWじゃなくてWWD、世界水の日(World Water Day)。水資源の大切さ、持続可能な水開発なんてものについて考えましょうという日なんだそうですが、未だに水資源の開発が大企業よりなグアテマラでこそこういう日が存在していることをちゃんと啓蒙してほしいところです。

そこで大分合同新聞に掲載された「グアテマラにきれいな水を」という記事をご紹介。

ここで紹介されている皆木健太アブラハムさん、お父さんとは面識あるのですが、あらー日本の大学に進学したのか。

プロジェクトそのものは「エコフィルトロ(エコフィルター)」を上水道施設のない地域に届けるというシンプルなもの。ふむ、実はこれ、ウチの小僧が高校の時にセミナー(最終学年時にグループで研究活動を行うもの)で同じことをやってました。それと同じシンプルさではありますが、シンプルだからこそ誰にでも使えて有効活用ができるという代物でもあります。

エコフィルターの仕組みはシンプルで、タンクの中に土(粘土)、おが屑、コロダイルシルバーがフィルターとして設置されており、そこに水を通すことで飲用可能な水ができるという仕組み。井戸水、雨水、更には川の水などでも使えるわけですが、実は水道水を入れて使っている家庭も多い。。。我が家は飲料用の水は別途購入しているのですが、ウチのアパートの門番小屋にはこのエコフィルターがありまして、水道水を浄化して飲料用としています。

水道水は一応飲料可とは言われているのですが、送水が24時間じゃないため多くの家庭は貯水槽や貯水タンクに貯めていることもあり、そのまま飲料としては使わない家庭の方が多いと思います。

エコフィルター、3ヶ月に1回のクリーニングと2年に1回のフィルター交換さえ行えばずっと使えるという代物なのですが、グアテマラの場合、大体なんでもメンテ不足でダメになるんですよね。。。そこをどう乗り切るかは別の話となるわけですが、初めの一歩としてのエコフィルトロ。息の長い活動になってほしいという期待を込めて「みなぎプロジェクト」のご紹介でした。

イドロ・サンタ・クルス V 非常事態宣言

面倒くさいので皆まとめて「非常事態宣言」と書いていますが、グアテマラにはこの「非常事態宣言」には確か4種類くらいあり、2012年5月にサンタ・クルス・バリーヤスを対象に発出されたものはEstado de Sitio、estadoはこの場合「状態」、sitioは「封鎖」とか「隔離」とか「占領」とか、そんな意味合いを持っています。憲法で保障されている権利が、何らかの事情により脅かされている場合や国の安全が脅かされている場合に、これを元の状態に戻すために一旦憲法で保障されている権利を停止するのがこれ。毒をもって毒を制するみたいなものでしょうか。

政府は非常事態宣言とともに警官400人と国軍兵士500人をバリーヤスに派遣し、5月2日と3日の両日で14人を逮捕します。5月1日の暴動(イドロ・サンタ・クルスの施設への放火)に加担したという容疑で逮捕状が出ていたのは23人。この人数は後に33人にまで増えます。

他方、この暴動のきっかけとなったアンドレス・フランシスコ殺害及び他の2人の傷害事件については、この時点では容疑者は浮かんですらいませんでした。

この非常事態宣言が「治安回復」という名の「水力発電会社保護」であったのは明らかで、同社への反対運動は政府により犯罪扱いされる結果となってしまいます。

バリーヤスの物語は、グアテマラのあちらこちらで繰り返されてきた物語でもあります。とある企業が自分の会社の利益のためにプランテーションを作ったり、鉱山を掘ったり、施設の建設を行う。しかしこの際、地元住民の意向など一顧だにしません。

それでも住民が通常とおりの生活を送れるのなら問題になることはないのでしょう。そうではなく、川の水が涸れたり汚染されたりして住民の生活が脅かされてしまう。このような状況で黙って受け入れろ、という方が無理でしょう。

住民の全員が反対というわけではないにせよ、バリーヤスでは多くの住民が反対運動に参加しています。市当局は対話の席を設けようとしていますが、国は住民の声に耳を傾けないまま、反対運動を阻止してしまった。そしてマスコミは政府当局の発表をそのまま報道するのみです。

各方面から批判を受けたこの非常事態宣言は、5月18日をもって打ち切りとなります。しかしバリーヤスの日常は戻って来ない。逮捕された住民は拘留され、町では兵士が日夜パトロールを行っている。

国が守るべきなのは私企業か住民か。

本来なら両者とも、なのでしょうが。

イドロ・サンタ・クルス IV 高まる緊張

2009年、イドロ・サンタ・クルス社はバリーヤス市の開発審議会(COMUDE: Consejo Municipal de Desarrollo)に水力発電プロジェクトを提出しますが、COMUDEはこの計画を拒否。2011年4月にもカンバラン川沿いでの水力発電所建設計画を提出するものの、COMUDEは再度拒否。同年7月には市長、住民代表も出席した会合で、再々度拒否の決定が下されています。

ところが会社側はそのような状況下で、発電所建設ための重機を搬入したため住民側は反発。両者の間の緊張が高まり、11月には同社の倉庫への放火事件が発生します。

プレンサ・リブレ紙はこの事件について次のように伝えています。

「ウエウエテナンゴ県サンタ・クルス・バリーヤスの住民らが、昨夜ポサ・ペルデのイドロ・サンタ・クルス社の倉庫2ヶ所に放火し、重機が焼失した。同社は水力発電所建設を実施する予定であるが、住民らはこれに反対している」

「去る(11月)16日水曜日3時、多くの共同体の農民ら数千人が水力発電所プロジェクトに抗議を行った。その時は警備員13人が同社の警備を行っていた」

「その日の午後、同社の警備員13人は住民らに捕らえられ、武器を奪われた。しかし警備員らは殴られたり縛られたりすることはなく、むしろ食事を与えられたという」

「夜になってから住民らはポサ・ベルデにある倉庫2ヶ所に放火し重機が焼失した。警備員らはポサ・ベルデから4kmほどのバリーヤスの市街地で解放された」

「17日未明、住民がポサ・ベルデの施設を占拠したため、警官隊がバリーヤスに派遣された」。

その後どうなったかという記事は見つけられなかったのですが、住民による抗議行動はこの時に限らず、年が明け、新市長が就任した後の2012年3月にも同様の放火事件が発生しています。

そして5月1日。この日はバリーヤスのお祭りでした。そんな日に、バリーヤスから自分達の共同体へと向かっていたアンドレス・フランシスコ・ミゲル、パブロ・アントニオ・パブロ、エステバン・ベルナベの3人が走ってきた車から撃たれ、アンドレス・フランシスコが死亡、残る2人が負傷します。パブロ・アントニオは反対派のリーダーの一人で、イドロ・サンタ・クルス社への土地の売却を拒否していた人でもあります。

住民らはこれをイドロ・サンタ・クルスの仕業であると見なし、その日の内に5,000人とも言われる住民が同社の警備員を探し回ります。警備員を見つけられなかった住民らは、同地にある国軍の駐留地に隠れているとの噂を聞きつけて押し寄せたものの見つけることができず、武器を奪っていったのでした。

後に、この殺人及び傷害事件は、イドロ・サンタ・クルス社の警備員2人が容疑者として逮捕されています。1人は警備の責任者、もう1人は元軍人でした。

この暴動の後、中央政府(当時はオットー・ペレス・モリナ大統領)はバリーヤスに30日間の非常事態宣言(Estado de Sitio)を出し、警官400人と国軍兵士200人を派遣したのでした。

イドロ・サンタ・クルス III 発端

ウエウエテナンゴ県はマヤ系の中でも多くの民族が混在しているところですが、サンタ・クルス・バリーヤスは元々カンホバル族(Q’anjob’al)の土地でした。面積は1,112平方キロでウエウエテナンゴ県内では最大。標高は1,450mですが、北部は標高は低く、暑い地域となります。

この地に水力発電所の建設計画が持ち上がったのは2007年のことだそうです。スペインのエコエネル(ecoener)社は再生可能エネルギーを利用した発電事業を行っている会社ですが、海外でも事業を展開しているようです。

グアテマラの電力事情について簡単に触れておきますと、1990年代前半までは国営事業だったのですが、1996年(アルスー大統領時代)に「電力基本法」が制定され、これにより電力事業への民間参入を容易にしたのでした。現在、発電は国と民間の両社によりますが、送電、売電は民間企業となっています。価格は国の機関である電力委員会(という名前だったかな)が3ヶ月ごとに改正するシステム。民営化されたことで電力供給は以前より安定していると私は思うのですが(グアテマラに来た年ちょうど水不足の年だったため、いきなり結構な計画停電を体験したのが未だに強烈な思い出です)、一方で電力消費の少ない世帯層からは電気の価格と不安定な供給に不満も多く、もう一度国営化してほしいと要望の多い分野でもあります。

さて、バリーヤスに水力発電所ができるらしい、と聞いた住民は当然不安に思います。電気事業への新規参入はエネルギー鉱山省の管轄になりますが、同省から地元へは何の連絡もなく免許が出されてしまい、住民たちは一体どんな発電所になるのかもわからず仕舞い。過去に、アルタ・ベラパス県にチクソイダムという国内最大規模のダムと発電所が建設された時、住んでいた人たちが土地を追われるなどしたことがあっただけに、同じような目にあうのではないかという不安は当然募ります。

そこで住民らは2007年6月23日に住民投票を実施します。住民13万人のこの町で、投票したのは46,490人、この内実に46,481人が発電所に反対票を投じたのでした。

なお、この住民投票(Consultas Comunitarias de Buena Fe)は先住民族が伝統的に実施してきた方法で、その効力は憲法、条例、さらには国連の先住民族の権利に関する宣言等で保障されているものです。

しかし、この投票にもかかわらず、発電所計画は着々と進んでいったのでした。

イドロ・サンタ・クルス II 位置

ウエウエテナンゴ県はグアテマラの北東部に位置しますが、サンタ・クルス・バリーヤス(Santa Cruz Barillas)は同県の北部にあります。以前取り上げたイシュキシスよりは南、北部横断道沿いになります。

上の地図の赤いマーカーがバリーヤス、青いマーカーはスペインのエコエネル社が水力発電ダムを進めているカンバラン川。市街地のすぐ側を流れている小さな川です。ズームアウトして頂ければ、国内の位置関係がわかるかと。

この町を二分することとなった水力発電ダム計画は2007年に始まり、今もなお対立が続いているといいます。

今日は遅くなってしまったので、ここまでにして、次回からこの話を取り上げていきたいと思います。