Category Archives: ラ・リネア事件

サント・トマス港からいなくなるコンテナ船

マースク・ライン(Maersk Line)と言えば、世界でもトップクラスの海運業者で、コンテナ船、タンカー、車輌運搬船などを合わせて、所有する船舶は600隻で、グアテマラにもカリブ海側のサント・トマス港や太平洋側のケツァル港に同社の定期船がやって来ています。

ところが。

サント・トマス港の国営港湾会社のツイートです。簡単に言うと、ここ数年間、設備や機材を更新してこなかったため、コンテナの積み下ろしに時間がかかるといって、マースク・ラインが定期船の運航を週6便から2便に減らしてしまった。この減らされた4隻で一週間当たり2700本のコンテナ取り扱い量だったのだそうです。

この先も他の船舶会社がどんどん引き揚げてしまい、そして誰もいなくなるのではないか。

なんて噂がささやかれているのもさもありなん。

グアテマラは既にホンジュラスなどとの間で国境での通関を廃止しています。なのでグアテマラ向けのコンテナもホンジュラスのコルテス港で陸揚げされてしまうんじゃないか、と。

既に、エルサルバドル向けのコンテナは、サント・トマス港扱いが減少しつつありコルテス港が増加傾向。この傾向がこの先も続いたらどうしよう。

税関でコンテナの通関にあたり優遇してやるからと賄賂を貰っていたのはラ・リネア事件ですが、実際のところ、今でも同じような組織が存在していると言われています。そんな人達にしてみたらこれは死活問題(←そこか)。

それで大慌てで今年は2.5億ケツァルをかけて設備投資をするらしいです。今入札しているらしいので、順調に行けば本年後半には新規機材(普通に考えるとクレーンですよね、積み下ろしに関係する機材と言えば)が使えるようになっているはず。

順調に行けば、ですけれど、賄賂が絡んでいる案件だから多分順調に行くんでしょう。

それにしても、コトが深刻になるまで放ったらかしにしておくのは、ベリーズ橋といい、港といい、いかにもグアテマラのお役所仕事的です。国や国民のことよりも、自分の懐を温めることに熱心な役人がまだまだ多くいるのは、残念なことではあります。

もろもろニュースまとめてみました

オデブレッチの続きも書きたいところですが、今週はいろいろとてんこ盛りな週となっており、忘れないうちにささっとまとめて見ようかと思います。要は覚書。

とりあえず見出しっぽくまとめておきましょう。

インフルエンサー組織摘発

これは昨日のニュースになります。朝、グアテマラシティやその他で一斉家宅捜索が行われ、逮捕者8名と報じられていました。概要は昨日午後に行われた検察・Cicig・内務省によるプレスカンファレンスで概要が公表されています。

オットー・ペレス元大統領らが逮捕され、現在裁判が進行している(というか中断しているというか)税関汚職事件、ラ・リネアの捜査に関連して発覚したのがこのインフルエンサー組織。グアテマラでは、輸出業者に対し、輸出額の一部に関わる付加価値税(IVA)を還付する制度があるのですが、通常だとこの還付にはものすごく時間がかかるらしいのです。それを迅速に還付してもらえるよう、口利きをしましょう、という仲介業だったのですね。

中心となったのは税務署(SAT)の職員でラ・リネアその他の事件にも登場するジョバンニ・マロキン・ナバスでSAT内部の手続きを担当。すごいのは営業を担当していたのがマリオ・レアル・カスティーヨ(前選挙の副大統領候補、インヘニオ・マグダレーナやスーパーチェーン「ラ・トーレ」の経営者、ショッピングモール「パセオ・カヤラ」のオーナー)とかフェリペ・アレホス(現在国会の副議長)という大物だったこと。

顧客として名前が挙がっているのは砂糖関係、パーム油関係、製鋼業ら8社。でも還付された金額が大きければ、手数料も大きいわけで。手数料として組織に入った収入は一社辺り数十万から数百万ケツァルとなっています。

逮捕・再逮捕された人もいれば、マリオ・レアルのように1年以上前から国外に住居を移しており、国際指名手配となっている人も。現国会議員であるアレホスは不逮捕特権の剥奪請求が出ています。

前国防相逮捕

大統領は軍の総司令官だからという理由で「責任手当」という名のふざけた手当(月額Q50,000)の支給を決定したウィリアムズ・マンシーヤ前国防相が今朝逮捕され、公判手続きの開始が決定しました。

当の本人は「自分は何も間違ったことはしていない」と主張していられるようですが、どう見ても給料より多い手当を自分とこの職員でもない人に払っちゃまずいでしょ。それが刑事罰相当かどうかというのは、恐らく議論が別れるところなのでしょうが。

内相更迭

ジミーはフランシスコ・リバス内相の更迭を発表。リバス内相は9月に一度「大統領アホやから仕事できへん」と言って辞表を提出したものの遺留されて撤回していました。

去る12月、ジミーは全閣僚に辞表の提出を要請しており、1月に入ってから経済相、環境相らが辞任という名の更迭にあっています。検事出身のリバスは以前からクビにしたかったものの、後任の調整に手間取ったのではないかと見られています。

形式上、「辞表の受理」としているのはクビを切るという見た目の悪さを気にしたのでしょうが、もう一つ、グアテマラではクビになった人には退職金が支払われますが、辞任した場合は退職金なし。嫌がらせなのかも。根性悪いもんなー。

リバスは自身のツイッターで、同省の職員や市民に謝意を述べています。久しぶりにいい内相だったのに、残念。テルマさんの後任として検事総長の可能性もあったりする、かも???

元最高裁長官殺害

詳細は不明ながら、本日昼過ぎ、グアテマラシティ11区で、元最高裁長官(2013-14)のホセ・アルトゥーロ・シエラが車に乗っていたところ(多分運転していたっぽい)、バイクに乗っていた人物から銃撃され、病院に運ばれたものの亡くなられました。

今のところ、強盗だったのか(車はそのまま残されていますが)、シエラの殺害と意図したものだったかは不明だとされていますが、遺体には銃弾が7発あったことを考えると、暗殺だったのではないかと。

以上がオデブレッチ以外で目に止まった主な事件。

実はそれ以外にも、我が家の近くで今週2度同じ路線バス(ホセフィーナ)が襲われた(おかげで渋滞に巻き込まれた)という、私的にポイントの高い事件もありました。場所はいずれもエルサル街道とムシュバル街道が交差する、ラス・ルセス立体交差付近。時間も17時から18時頃と交通量の多い時間にバイクから発砲したのだそうです。合わせて負傷者3人。

グアテマラ名物チキンバス。

サン・ホセ・ピヌラとグアテマラシティを結ぶこの路線はバスの台数も利用客の数も多く、小僧も大学への通学に利用しています。というわけで、他人事ではないという。

なおホセフィーナは明日27日運行休止を発表しています。リバスの後任に就任したエンリケ・デゲンハルトも多難な船出ですが、さて。

ラ・リネア事件、口頭弁論開始決定

元大統領オットー・ペレス・モリナ、その副大統領ロクサナ・バルデッティをはじめ、総勢30人が税関汚職に関係していたとして逮捕、裁判が行われていた「ラ・リネア事件」で、グアテマラでは「中間手続き」と呼ばれている証拠調べに基づいた審理が先週結審、そしてその判決が本日やっと3日がかりで終了し、28人が口頭弁論送り、2人が無罪放免となりました。

この審理を担当したハイリスクB裁判所のミゲル・アンヘル・ガルベス判事、めちゃくちゃ忍耐強い人だと思うのですが(何と言っても、1人でもうざい弁護士を、まとめて30人+30人の容疑者を相手にしないといけなかったわけで)、この判事さんも最後の方は忍耐が切れて「今まで弁護士に腹を立てたことはなかったが」と言わずにはいられなかったくらい大変だったようです。弁護側からの判事の忌避請求やらナントカ請求やら異議申し立てやらで、ここに至るまで2年半。お疲れ様でした。

あら、今日は水玉模様のネクタイだったのね。上着と同じ色だから目立たないけれど、オサレだな。

グアテマラの刑事裁判では、まず逮捕されると予審が開かれ、起訴事実に根拠があるかどうかが判断され、根拠ありと判断されれば公判開始が宣言され、公判開始までの期間に検察は捜査を続けることが認められます。

その後来るのがこの中間手続き。メインとなるのは証拠調べで、これを検討して起訴内容と照らし合わせ、起訴内容に相当する証拠があると認められた場合は口頭弁論の開始が決定されます(←イマココ)。ハイリスク裁判所の場合は、この後合議制のハイリスク法廷へと舞台を移して口頭弁論が行われ、その後判決となります。まだまだ先は長そうですが、一歩前進ではあります。

ラ・リネア事件では、ガルベス判事が被告の罪状を一部変更して口頭弁論送りとしていますが、まあ良く一人でこれだけの人を相手に判断できるものですね。。。

以下、各人への判決を抜書きしておきましょう。

      1. オットー・ペレス・モリナ(Otto Pérez Molina):元大統領。特別関税脱税、不法所得、共謀
      2. ロクサナ・バルデッティ(Roxana Baldetti):元副大統領、特別関税脱税、不法所得、共謀
      3. カルロス・ムニョス(Carlos Muñoz): 元税務庁長官、共謀
      4. オマール・フランコ(Omar Franco):元税務庁長官、特別関税脱税、収賄、共謀
      5. クラウディア・メンデス(Claudia Méndez):元税務庁税関局長、収賄、特別関税脱税
      6. セバスティアン・エレーラ・カレーラ(Sebastián Herrera Carrera):元税務庁人事部長,共謀
      7. グスタボ・アドルフォ・モラレス・ピンソン(Gustavo Adolfo Morales Pinzón):共謀、収賄
      8. アントニー・セグラ(Anthony Segura):元税務庁労働組合書記長、共謀、収賄
      9. マイノル・エドゥアルド・マルティネスカステヤーノス(Mynor Eduardo Martínez Castellanos);ケツァル港税関事務所長、共謀、特別関税脱税、収賄
      10. グディエル・アルバラード・デ・レオン(Gudiel Alvarado de León):元税関事務所長、共謀、特別関税脱税、収賄
      11. フリオ・ロブレス・パルマ(Julio Robles Palma):元税関事務所長、,共謀、特別関税脱税、収賄
      12. カルラ・ミレヤ・レイエス(Karla Mireya Reyes):税関スーパーバイザー、共謀、特別関税脱税、収賄
      13. オブドゥリオ・オラシオ・バリオス・バスケス(Obdulio Horacio Barrios Vásquez):共謀、特別関税脱税、収賄
      14. グスタボ・アドルフォ・ペーニャ(Gustavo Adolfo Peña):共謀、特別関税脱税、収賄
      15. ロランド・ヒル・モンテロッソ(Rolando Gil Monterroso):共謀、特別関税脱税、収賄
      16. カルロス・イシュトゥク・クック(Carlos Ixtuc Cuc):共謀、特別関税脱税、収賄
      17. フアン・カルロス・アビラ・モラン(Juan Carlos Ávila Moran):税関職員、収賄、特別関税脱税、共謀
      18. ヒルダ・マリア・マルドナド・ガルシア(Gilda María Maldonado García):ケツァル港税務署勤務、特別関税脱税,収賄、共謀
      19. ジョバンニ・マロキン・ナバス(Giovanny Marroquín Navas):共謀
      20. オサマ・エザト・アジズ・アルカンキ(Osama Ezzat Aziz Aranki):共謀、特別関税脱税、贈賄
      21. バイロン・アントニオ・イスキエルド(Byron Antonio Izquierdo);共謀、特別関税脱税、贈賄
      22. フランシスコ・ハビエル・オルティス・アレアガ(Francisco Javier Ortiz Arreaga):別名ハビエル中尉、共謀、特別関税脱税、贈賄
      23. ミゲル・アンヘル・レムス・アルダナ(Miguel Ángel Lemus Aldana):共謀、特別関税脱税、贈賄
      24. フリオ・セサル・アルダナ・ソサ(>Julio Cesar Aldana Sosa):ケツァル港責任者、共謀、特別関税脱税、贈賄
      25. フリオ・エストゥアルド・ゴンサレス・デ・レオン(Julio Estuardo González de León):税務庁職員、共謀
      26. デルフィノ・デ・ヘスス・モラタヤ(Delfino de Jesús Morataya):共謀、マネーロンダリング
      27. アルフォンソ・セバスティアン・バツ・ロハス(Adolfo Sebastián Batz Rojas):ケツァル港内部職員、共謀、特別関税脱税、収賄
      28. エドガル・アルマンド・サク(Edgar Armando Sac):共謀、特別関税脱税
      29. モニカ・パトリシア・ハウレギ・サモラ(Mónica Patricia Jauregui Zamora):破棄の仮処分、釈放
      30. エルベルト・カブレラ(Herbert Cabrera):破棄の仮処分、釈放

     

ラ・リネア事件の裁判進行中

ここ数日、空気もすっきりとしてきており、あれだけ雨を降らせた雨季もそろそろ終わりのようです。やっほ−!

最近公私ともに多忙にしていまして、グアテマラのニュースも追いかけきれていないのですが、アルスーが登場してからというもの、汚職協定側が力を盛り返しているようです。というよりは、この国の裁判所って、政界とつながりが深く、汚職の根は相当に深いのだということをあらためて感じています。

そうは言っても、現在検事総長のテルマ・アルダナは裁判官出身で前職は最高裁判事。検事総長というのは候補者の中から大統領が決めることになっており、アルダナも決して一般受けする候補者ではなかったのですね。人権擁護団体とかは反対だったような記憶があります。アルダナを選んだのは当時大統領だったオットー・ペレス。まさかアルダナに不逮捕特権剥奪され、汚職で裁判にかけられるなどとは想像もしなかったでしょう。

そのオットーさんは現在税関汚職、通称「ラ・リネア事件」の審理中。グアテマラの刑事裁判はちょっとややこしくて、最初に予審が行われ、ここで事実関係を確認し裁判を行うかどうかが妥当かを決定し、妥当と判断された場合はその後「中間審理」が行われ、ここで公判開始が妥当と判断されれば、上級審へ送られてその後本格的な(?)裁判となります。

現在は「中間審理」に当たり、予審と同様、ハイリスクB裁判所のミゲル・アンヘル・ガルベス裁判官が事件を担当しています。ここで被告約30人を公判に付すかどうかを決定するのですが、証拠調べは既に終わり、現在は被告がそれぞれ好きなことを言いたい放題言う、最終段階にあるようです。今日はオットーさんの日だったわけですが、曰く、これは(犯罪追求ではなく)政治的にでっちあげられた犯罪だ、選択的追求だ(これは汚職協定側の決まり文句)、俺は無罪だ、嵌められた、なんてことを2時間喋ったそうです。聞いてた皆さんお疲れ様。

検察が多くの事件を抱えていて、各事件に関わる時間がそれほどないのに対し、被告側は自分のことだけ気にしていればいいのだから、その気になれば原告側の矛盾点をつくのも難しくないのかもなぁ、なんてちらりと思いました。いえ、詳細に追いかけているわけではないので雰囲気で言っていますが、裁判の経過は気になるところです。

それにしてもオットーさん、髪の毛真っ白になったのね。

裁判を通じて、政治とカネの流れがしっかり追求されることを願っていますが、最近の司法機関の動きを見ていると、一審で有罪となったとしても上級審であっさりひっくり返されそうな。

さて、どんな決定が下されるのでありましょうか。

引き続き、開票中

0908

9月8日23時の開票状況。開票率がまだ99%に届かない、ってところです。亀より遅いグアテマラの開票。金曜日までには100%って最高選挙裁判所は言ってますが、どうしてこんなに遅いのかは誰も知らない。

昨日の内にご本人が記者会見したUNEのサンドラ・トーレスとは対照的に、マスコミの前に姿を現さないのがLiderのマヌエル・バルディソン。本日は党の広報担当が記者会見し、当初圧倒的に有利と見られていたバルディソンの苦戦について「政治的リンチのため」と言っていて、Liderを支持するつもりは全然ありませんが、この一点については確かにその通りではあったと思います。でもそれを言うなら金の力に任せた選挙運動を展開した自分達の戦略ミスって言った方が好感度アップするんじゃないかな。

大統領選では苦戦したものの、国会議員は総数158議席の内トップの46議席を獲得しています。それに次ぐのはUNEで33議席。この2つで丁度半数。誰が大統領になっても国会運営では苦戦しそう。

一方、前大統領オットー・ペレスについては起訴事実ありとして公判開始が決定(12月の予定)、ペレスについては保釈は認められず拘留決定。これは予想されたことでしたが、予想できなかったのはこの決定を告げる判事が延々3時間にもわたる独演会を行ったということ(笑)。

この予審、テレビで生中継されていたから、ミゲル・アンヘル・ガルベス判事も力が入ってはいたんでしょうが、フィデル・カストロやウーゴ・チャベスならともかく、力が入ってればいいってもんじゃないから。検察の主張を繰り返しているだけに見えてしまって、かえってマイナスだと思うけれどなー。

そんなこんなの混乱の中で、アレハンドロ・マルドナド大統領はどうやら我が道をまっすぐ(のんびりと)進んでいらっしゃるようではあります。閣僚の再評価(現在欠員多々)中とかで、木曜日に国会で副大統領の指名を受けたら新閣僚とかも決めていくんじゃないですかねぇ。

そして来週の火曜日、15日は独立記念日。希望的混乱という錯綜とした状況で独立記念日を迎えそうな感じです。

予審の行方

3日と4日の2日の続けて、オットー・ペレス前大統領に対する汚職容疑での予審が行われていました。検察側・被告側双方の主張が展開され、後は裁判官が決定を下すのみ・・・だったんですが、裁判官は当日のうちに決定を下すのを避けて再度火曜日に続きを行うと宣言して閉廷という顛末。

予審の内容は2日間ともテレビで生中継されておりました。私は見たわけではないのですが、報道を見た限りでは検察はペレスが犯罪組織に加担していたという決定的な証拠を提出できたわけではなく、あの自信満々のコメントは一体何だったんだろう・・・と首をひねらざるを得ないでいます。

この犯罪組織、ラ・リネアと呼ばれる脱税組織で、輸入関税を減らしてもらう代わりに見返りをもらっていたとして、税務署職員や経営者らが逮捕あるいは指名手配となっています。コンテナ1本に付き2万~10万ケツァルを得ていたとされ、税関職員からなるこの組織が得た収入は一週間に200万ケツァル以上。ラ・リネアを利用した企業は1000社以上と言われ、こちらについてはまだ全容が解明されていません。

このラ・リネアの中心となっていたと指摘されいているのがロクサナ・バルデッティ前副大統領の私設秘書官であったフアン・カルロス・モンソン・ロハス(指名手配)。その他、税務庁長官などが次々と逮捕・指名手配となり、大規模な汚職の摘発ではありました。

CICIG及び検察は電話の盗聴を通して捜査を進めて行き、モンソンら関係者の会話の中にペレスやバルデッティと思われる人物が取り沙汰されていることから、両者の関与が疑われたのは自然な流れではありました。こうして大統領・副大統領の辞任を求める抗議活動が始まったのが4月17日。

バルデッティが副大統領を辞任したのは5月8日のことでした。その後の捜査でバルデッティの関与を示すとされる彼女宛の小切手が見つかるなどしており、8月の家宅捜索後に逮捕されています(8月21日)。

検察はバルデッティの逮捕と同時にペレスへの不逮捕特権剥奪を請求しており、バルデッティへの捜査過程でペレスの関連を裏付けるものが出てきているんだとてっきり思ったのですが。

今回証拠として提示されたのは電話の盗聴記録が主で、バルデッティのように実際にペレスに対して金銭が流れていたという証拠は上がっていません。電話の会話で名前が上がったから犯罪組織と関係があったとか、いやそれは関係があったのは事実だろうけれど、犯罪の共謀と言い切れるほどの証拠じゃないでしょう。名指しされているわけでもないし。

これをもって公判開始とかいうことになったら、びっくりだな。あれほど多くの期待が集まっていたのに、実際にはペレスが無関係だったってことを証明しちゃったようなものだ。

ペレスが汚職に関与していた方が良かったなんて言うつもりは更々ないけれど、こういう結末は皆にとって不幸すぎませんかね?

もっとも、予審の行方はまだ決まっていないので、どうなるかはわかりませんが。

でもやっぱり、がっかりだぜー。

Hoy por hoy

Hoy por hoy(オイ・ポル・オイ)は最近良く聞くフレーズで、「今のところ」という意味。明日はどうなるかわからないけれど、今日のところは、と言いたい時に使われます。日々状況の変わるグアテマラを表現するのに良さ気な言葉。と言う訳でタイトルに頂きました。

既に世界中にニュースが流れているようですが、一昨日の不逮捕特権の剥奪を受け、昨日検察がオットー・ペレス大統領(当時)に対する逮捕状を請求して認められました。そして19時に大統領が書面で辞任を申し入れ、その日の遅くに国会に提出(国会がそんな時間でも書類を受け付けてくれるなんて知らなかった。。。)

そのニュースが深夜に流れ、人々は既にお祝いモードで憲法広場に集まり始めたのだとか。2時とか3時って、まだ夜だよね?しかもバスも何にもないよ?でもそんな時間に人々が集まり始め、ブブゼラ鳴らしてお祝いモード。

夜が明けるとグアテマラ中がお祝いモード、ま、ひょっとしたら私の周囲だけだったのかもしれませんが、とりあえずテレビもラジオもこのニュース一色でした。ただし大統領の辞任は国会で承認されるまではオフィシャルとはなりません。そんなわけで国会が10時に召集されたのでした。

一方大統領は朝8時頃でしたか、弁護士と一緒に裁判所へと向います。既に逮捕状が発行されているわけですが、自ら出頭することで逮捕を免れたという次第。そしてそのまま予審開始。本日は検察側の証拠提示が延々と続くという日程です。

その間に国会は順調に議員が到着、大統領の辞任はあっさり承認され、副大統領アレハンドロ・マルドナドの大統領就任が承認され、そのまま就任式という慌しい日程。マルドナド大統領の任期は来年1月15日までの4ヶ月弱とかなり短いですし、この状態で何を期待したらいいのかわかりませんが、とにかく無事次期大統領にたすき、じゃなくて懸章(スペイン語ではBanda Presidencial、中南米ではあちらでもこちらでも使います)を繋げて欲しいところです。

他方裁判所では延々と証拠提示が続いており、この日の審議は17時頃まで続き明日へ持ち越し。そして大統領として裁判所へ出頭したオットー・ペレスは一市民となって裁判所から拘置所へ移送となったのでした。護衛がついてるのは一緒だけれど。

そんなこんなでてんやわんやの一日ではありました。ついでに今日は選挙活動が可能な最終日。明日、明後日は禁止、明後日はアルコール類の販売も禁止となり、日曜日が投票日。

大統領の辞任まで、20週間にわたって繰り広げられた抗議活動は実に見事なものでした。今日はそれが実った日でもあり、お祭りのような雰囲気。実際、1944年に長年独裁政治を続けていたホルヘ・ウビコを追い落とした10月の革命と同じくらい歴史的な出来事だったのではないかと思います。

ではさて、この後「民主主義の春」は再びやって来るのか。一連の市民活動は更に大きな力となっていくのか。日曜日に実施される選挙の行方が気になるところです。